3つの賞が決定! 飾りたいと思う写真展「アートの競演 2017葉月」【Art Gallery M84】
ITライフハック / 2017年8月18日 17時0分
歌舞伎座(東京・銀座)の真裏に佇むギャラリー「Art Gallery M84」は、2017年7月31日(月)よりより開催していた『飾りたいと思う写真展「アートの競演 2017葉月」』において、3つの賞(M84賞、G.I.P.Tokyo賞、フレームマン賞)を決定した。受賞した作品は今回展示された数多くの秀作の中でも、それぞれ賞にもっともふさわしい作品だ。
今回の作品展は、Art Gallery M84の第65回目の展示として実施する一般公募展だった。「作品を部屋に飾りたい、または収集して眺めたいと思う作品が見つかるかもしれない」というのが写真展「アートの競演2017葉月」だ。
■M84賞:「A First Surface on Aqua」降旗良房氏
選評:深い青と浅い色合いが不思議な紋様となって美しい。涼しさを感じさせるだけで無く、ところどころに少しだけある赤い点や紋様の境界線にも味わいがあって永く眺めていて癒されます。フレームが白いのも嬉しい。
●作家からのコメント
中学の頃から写真をやっていましたが、一時離れました。震災を機にやり残したことがないように写真をやり直しはじめました。
10年来、水を撮り続けていて、最初は水の刻々と変化するものを撮っていました。そのうち、水面は「人間が生きている世界」と「人間が生きていけない世界(酸素を必要とする)」という、2つの世界の境界になっていることに気づき、その境界を水の中と外から撮ることで、シリーズを展開するかたちに変わってきました。これが題名にもなっているAquaとSurfaceです。
今回の作品は、かなり初期の作品になります。青だけでなく、いろいろな光があり、宝石みたいな輝きが出ているので、出してみました。このシリーズは今でも撮り続けていますので、この先も似たようなバリエーションの作品は続けていくことになると思います。
この軸とは別にオルタナティブの手法にも非常にはまっています。いわゆる古典技法とデジタルをうまく結びつけるという活動もしてます。
フィルムのほうも大判になりますが、8×10も扱っていて、それをうまくデジタルで処理できないか模索している最中です。
今回、皆さんの作品は非常に力作ばかりで、賞には関係ないと思いながら出させていただきました。
見てて飽きない作品というのは常に考えているところでもあるので、そういったところで受賞の対象になったのではないかと思います。
■G.I.P.Tokyo賞:「Bamboo and Goat」川村さとみ氏
選評:山羊の左側の竹林が明るく、竹林と一頭の山羊が何故か同じように傾きがあり、左側を向いた山羊を中央に配した構図が面白い。山羊の右側背景が暗く被写体ボケで像が流れて動きを感じる。また周辺を暗く、そして中央から左側が明るく設定したことにより、山羊と左側竹林に眼が引き込まれます。シルバーメタルの素材とも相まって硬質感が出ていることが新鮮な印象を受ける。フレームもプリントの素材と合っている。
●作家からのコメント
2011年に卒業した武蔵野美術大学の卒業制作で、地元の古利根川にまつわる人の暮らしや仕事、そこに暮らす生き物の生態を写真という手段をメインにして人々に広める事で川の環境改善につなげたいと初めて一眼レフで撮影をはじめました。その時に写真の力を感じ、もっと写真の事を勉強したいと思いました。
いくつかの写真のゼミに参加して、ストリートスナップの面白さに惹かれました。歩道で撮影するうちに、車道に興味を持ち、走る車から一瞬の風景を切り取る撮影方法で2年半撮り続けています。今回受賞した作品もその中の一点で、走る車の中からの撮影です。例えば、「あっ、ヤギだ!!」と思った時にはもうシャッターチャンスを逃している事が多く、撮れるようになるまでには経験が必要でした。
これまで撮影する期間が長く、あまり展示しておりませんでしたので、今回の受賞はとても嬉しく思い、今後の励みになります。これからも車からの撮影は続けて、作品数を増やして、個展につなげていきたいと思っています。
■フレームマン賞:「SHIKAKU、Signature」金高千乃氏
選評:ベットから起き上がったところだろうか? 見上げてる被写体に何処か希望を感じさせてくれる。ブレや被写体の影の出方が絶妙で、はだけて見える脚が色合いとして効いており、斜めに入った写り込みのような光りも不思議さを醸し出しています。被写体の明るさも程良く、背景の色合いや黒いフレームによる影の落ち方が計算されていて、引き込まれる作品です。願わくば4点とも同じ額装の方が良かったと思う。
●作家からのコメント
この度はフレームマン賞をいただきまして、ありがとうございます。写真歴は4年目です。1年前に東京タワーを展示させていただきましたので、今回展示させていただいた作品はポートレートです。
私は、顔が全部みえているより、はっきりと見えないポートレート方が好きで、顔の表情が見えていなくても、見てくれた方に少しでも何か伝わってくれたらうれしいです。今回、展示した作品は、自分の家で飾りたいと思う大きさと額装で、作品は喜怒哀楽シリーズを展示しました。
今までフォトコンテストで賞は、何度か頂いたことはありますがデータでの審査のみだったので、今回は、プリントから額装までしたもので賞を頂けたので、ご連絡を頂けたときは、本当にうれしかったです。
この開催の前に東京タワーで初めて個展をしました。グループ展とは違う難しさも経験出来てとても楽しかったので、いつかポートレートで撮り貯めたものでも個展にできればと思って取り組んでおります。
■飾りたいと思う写真展「アートの競演 2017葉月」
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