頑張れニッポン! 海外のPCメーカーの元気さが目立ったCOMPUTEX 2014【デジ通】
ITライフハック / 2014年6月11日 13時0分
COMPUTEX 2014は、開催国が台湾ということもあり、ASUS、GIGABYTE、MSIなどといった我々になじみのある台湾系のメーカーが話題の中心になることが多い。ただし、インテルやマイクロソフトの展示ブースでは、先日紹介したように日本メーカーの製品が紹介されているなど、COMPTEXには直接出展していなくても日本メーカーの技術力の高さを知ってもらえるような紹介のされ方が多かった。
今回も東芝や富士通の製品が何らかの形で紹介されていた。しかし、日本のPCメーカー淘汰が進むように技術力向上をアピールするのに海外メーカーの製品が増えてきており、以前と比べて日本メーカーの存在感は、かなり薄くなっている印象が強くなってきたと言える。
たえば今回のCOMPUTEXでPCやタブレット関連で話題になったのが、Windowsタブレットの本格普及へ向けた動きや、インテルのCore M関連だ。
Windowsタブレット関連では、日本メーカーではかろうじてマイクロソフトから紹介され、日本各社もその中に入ってはいる。しかし、台湾で行われるイベントなので当然ではあるが、台湾系企業の幹部が各社の発表会のゲストで呼ばれるが、日本メーカーの製品は多少紹介される程度で、以前と比べると影が薄くなっているのが現状だ。
先日本連載で紹介したように日本メーカーの製品としては富士通の防水2-in-1製品の「ARROWS Tab QH77」や東芝の「dynabook KIRA L93」が紹介されていた。防水機能は日本メーカーの得意とする分野だし、東芝のKIRA L93は筐体の質感も高く、高品質な日本メーカー製品を感じられる製品だ。しかし、今後登場するであろう最先端の製品は日本メーカー以外の製品を用いて紹介されていた。
具体例として、たとえばインテルのCore Mを採用した製品の紹介だが、従来よりも薄型軽量、長時間駆動の2-in-1製品がメインとなるカテゴリーで、ここは、本来日本メーカーの得意とする部分だ。
しかし、今回紹介されたのはインテルによるリファレンスの「Llama Mountain」と、ASUSの「Tarnsformer Book T300 Chi」だった。
2-in-1のギミックに関しては、本体がより軽量になることで、今まではできなかった新しい機構も可能になりそうだ。インテルが紹介した製品では、キーボードに本体を装着し、本体側の角度を変えることで、キーボード面の後ろが自動的に広がり、キーボード面が軽くても倒れないようになる機構を持つ製品があった。
このような新しい機構を持った2-in-1製品もCore Mでは登場するようだが、COMPUTEX 2014の時点では日本メーカーからは、こうした新機軸を持つような画期的な新製品は一切アナウンスされていない。Core M搭載製品の発売まではまだ半年ほどあるので、今後日本メーカーから、何らかの情報が出てくるだろう。しかし、特に海外の展示会での日本メーカーの新製品情報に出会える機会が減ってきているのは、筆者だけが感じているいわゆる「そんな感じがするだけで、実は違っていた」という状態ではないと思う。
ソニーから独立したVAIO株式会社といった話題もあるわけで、再編が進む日本のPCメーカーにも早く力を取り戻してもらって、世界を相手にやりあってもらいたいものだ。日本メーカーには、日本メーカーの強みといったものが必ずあるはずで、それを生かして“欲しい”と思える商品展開を期待したいところだ。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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