ノートを低コストで高性能化できるモバイル版Kaveriを投入!今後の方向性がはっきり見えてきたAMD【デジ通】
ITライフハック / 2014年6月12日 13時0分
インテルに対抗できる最後の砦とも言えるAMDであるが、低価格パソコンやハイエンドデスクトップ、グラフィックスカード市場で欠かせないメーカーである。AMDがよい刺激を与えていることでインテルと、これまたよい意味での緊張感が維持されてきた。しかし時代は急激に変化し、スマホやタブレットといった端末へとユーザーの関心が移り、ここ数年はインテルにしてもAMDにしても、その市場を視野に入れた製品開発を急ピッチで行う必要があった。
しかも、AMDはインテルとやりあう一方でNVIDIAともやりあう必要があったため、全方位でのCPU戦略というものが取りにくかったことがあるだろう。そのため、ハイエンドノートパソコンでインテルに対抗できるだけの製品を出せていなかった。今回、その市場に向けて、デスクトップ版で好調な「Kaveri」のモバイル版を投入する。これでCore i7搭載ノートの牙城切り崩しを狙うわけだ。
そして問題の組み込み機器やスマホ&タブレット端末といった、新しい機器も今後のAMDには重要な市場となる。2012年までは売り上げの9割が従来型PCからだったが、2013年、2014年とそのウェイトを変化させ来年の2015年にはAMDの売上げは新しい市場からが5割程度を目指す。同社のビジネス構造がこの数年で大きく変わっていくという内容をCOMPUTEX 2014で公表した。
■好評なKaveriのモバイル版を投入し市場奪回を目指す
KaveriはCPUとGPUのコアを1つに統合したAPUで、ヘテロジニアス・システム・アーキテクチャー(HSA)に対応する。このモバイル版を投入することで、ノートパソコンでもHSAに対応できるようになる。モバイル版Kaveriを採用するAPUは、モバイル版の「AMD A」および「AMD FX」とビジネス向けのAMD PROシリーズとして展開。このモバイル版Kaveriによって、AMDのAPUを搭載するハイエンドノートパソコンでも、インテルのCore i7に対抗できることになるという。
もちろん従来市場も重要ではあるが、AMDの今後の成長のためにキーとなってくるのは、プロ向けのグラフィック、組み込み用途、超低電力といった従来型とは異なる分野だ。そして、この市場は大混雑の様相を呈しており、AMD以外のメーカー各社がしのぎを削っている。AMDは2012年は全体で1割程度の売上げだったこの市場での売り上げを2015年には5割まで持って行く。市場規模がそこまで急激に拡大できるのかといった懸念はあるが、そうなると売り上げの半分が従来の市場、残りの半分が新市場からということになる。
ちなみにプロフェッショナル向けグラフィック市場に向けて、Fire Pro S9150、FirePro S9150を紹介。ハイエンドサーバー向けにFirePro S4000Xを紹介。GPGPU向けにワークステーションやサーバーの分野で新製品を投入。また、組み込み向け市場にはハイエンドから低電力の各市場向けに製品を提供する。
2015年にはWindowsやAnrdoidタブレット、組み込み市場に向け、x86とARMがピン互換となり、x86もARMも動くProject SkyBridgeを投入。さらに64bit版ARMコアとなる「K12」を2016年に投入する。
今年からかなりアグレッシブに動き始めたAMD。他社には真似できないProject SkyBridge、そしてグラフィック分野でゲーム機やプロ向け機材といった新市場を、どれだけ取って売り上げの50%に近づけて行けるか行けるか、2015年の結果が楽しみだ。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITライフハック Facebook
■デジ通の記事をもっと見る
・頑張れニッポン! 海外のPCメーカーの元気さが目立ったCOMPUTEX 2014
・COMPUTEX会場で見かけた国内未発表の東芝「dynabook」
・インテルが新ブランド「Core M」のリファレンスデザイン「Llama Mountain」をお披露目
・COMPTEXにおけるインテルの基調講演、ムーアの法則を乗り超えさらなる成長を続けるポイントは?
・2014年後半に登場か? 非常に魅力的なASUSの新Transformerシリーズ
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
iiyama PC購入で最大10万円分相当還元「SUPER SUMMER還元祭」
マイナビニュース / 2024年7月12日 15時6分
-
目指すは“AIのBTO”!? サードウェーブが法人向け新製品を一気にお披露目
マイナビニュース / 2024年7月4日 14時38分
-
サードウェーブの法人向けPCで“AIの民主化”を加速、ワークステーションやノートPC新製品を発表
ASCII.jp / 2024年7月3日 19時0分
-
レッツノートとタフブックの隙間埋める新モデル「FZ-55」、工務店や便利屋さんなど屋外で作業する個人事業主も欲しかった製品
ASCII.jp / 2024年7月2日 13時0分
-
インテルが「Lunar Lake」のチップ実物を披露 実は現行「Core Ultra」の直接後継ではない その理由は?
ITmedia PC USER / 2024年6月26日 20時55分
ランキング
-
1“高難易度ゲーム”でやられるたびに鶴を折ったら…… 特殊なチャレンジの結果が壮絶にして壮観
ねとらぼ / 2024年7月23日 20時0分
-
2知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第173回 総務省が打ち出す1万5000円の値引き緩和ではミリ波対応スマホが到底普及しない理由
マイナビニュース / 2024年7月23日 17時56分
-
3「これではだめなんでしょうか?」うずらの卵在庫山積み問題にアイドルがド正論 賛同の声続々「本当にそう思う」「それでいいはずだよ」
ねとらぼ / 2024年7月23日 21時31分
-
4プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
ねとらぼ / 2024年7月18日 22時0分
-
5ハイスタ難波、父の容体急変「突然体が動かなくなって」 昨年逝去の「母の元へ行ってあげていいとも」
ねとらぼ / 2024年7月23日 19時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください