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被災地復興支援に高齢者再雇用etc. あまり表には見えていない「ネスレ日本」の取り組み

ITライフハック / 2018年5月15日 9時0分

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「キットカット」や「ネスカフェ」でおなじみのネスレ日本。扱っている商品は有名だが、実は同社、被災地復興支援や新しい就活制度・高齢者再雇用、ホスピタリティにこだわった特別なコールセンターなど、様々な取り組みを行っていることをご存じだろうか。こうした企業による社会貢献的な側面の強い活動は、あまり知られていないので、ちょっとご紹介していこう。

■東北復興に向けた取り組み
ネスレ日本は東日本大震災から立ち上がろうとする三陸鉄道を、世界の人たちと一緒に応援するために「キット・ずっとプロジェクト」というプロジェクトを2012年3月から行っている。

まず2011年東日本大震災が発生した直後、水、チョコレート、ペットボトルコーヒー、栄養補助即品、ペットフードなどを救援物資として緊急送付したネスレ日本。そんな中、復旧作業の目処も立たず、関係者の安否確認などで混乱が続く中、被災地に一つの段ボールが届いた。

「きっと、復旧かなう」と書かれた段ボールの中には、ぎっしりと詰まった「キットカット」が入っていたという。その話をネスレが聞きつけ、三陸鉄道の応援を即決したのだという。

そしてプロジェクト立ち上げ以降、岩手県沿岸部の地域住民にとっての重要な移動手段であった三陸鉄道とともに、駅舎や車両のラッピング、日本一を目指す地域密着型草野球チームの設立や、市民野球場の復旧支援及び街ぐるみのこけら落としイベントを通じて、大人から子供までの多くの笑顔を届けてきた。


■実際に切符として使える商品も
その他、三陸鉄道の切符として使える世界初の「切符カット」というユニークな「キットカット」商品や寄付金付き商品を毎年発売してきた。特に、持続性・復興がまだまだである中、被災地の現状に対する世間の注目を維持し、風化させないようにするための中長期的な取り組みを意識している。

その上で、推進しているのが、スポーツを通じたココロの復興活動として、地域住民が熱狂でき、心の拠り所にもなる象徴的な存在をつくる取り組みだ。2014年11月にメジャーリーガーの岩隈久志投手をGMに迎え、草野球日本一を目指す、地域密着型草野球チーム「三陸鉄道キット Dreams」(三鉄キット Dreams)を設立した。


きっかけは、2014年1月頃に三陸鉄道が、宮古市による田老野球場の再建計画を聞きつけ、パートナーであったネスレとともに、全線復旧後の野球チーム設立を発案したことにある。

ちなみに、なぜ宮古市が田老野球場の再建に踏み切ったかというと、住民との公聴会の中で、当時野球少年であった加倉侑輝君が「野球をする場所が欲しい」と訴えたためだ。


現在の「三鉄キットDreams」のメンバーは、地域の子供たちにとっても、ちょっとしたヒーロー的存在となりつつあり、入団志願者も多いのだとか。以降、チームメンバー主導のもと、2016年4月の熊本地震や 2016年8月の台風10号の被災地の復興を支援する活動もおこなっていく。



■被災地岩手が別の被災地熊本を応援
被災地である岩手が、別の災害の被災地である熊本を応援し始めたきっかけを紹介しよう。田老野球場のこけら落としの2016年4月22日の8日前である4月14日に熊本地震が発生。地震の恐ろしさ、その被害の大きさについては、こけら落としを楽しみに来ていた地域住民含めて、被災者である岩手の人々は十分に理解している。田老野球場の復活を喜びつつも、地震による被災者として熊本の方々を心配したのだ。まだまだ完全復興とはいかない状況で、別の地震の被災者を思い遣る、なかなかできないことだ。

■キットカットブランドの使命とは?
こうした自然災害や財政破綻で困っている地域の復興を応援する継続的な活動は、ネスレのキットカットが“頑張る人の心を休め、次に踏み出す一歩を応援するブランド”という使命感が根底にあるという。また、キットカットの消費量に関しては、キットカットが生まれた英国が1位、次いで2位が日本なのだという。個人的に「二位じゃダメなんです」と思う筆者は、できれば消費量で世界一を目指したいところだ・・・。

地震も多く、台風による被害も多い日本では自然災害を避け切ることが非常に困難だ。そうした環境下にあって、キットカットは被災した際に特に復興が大変な第一次産業へ、“次に踏み出す一歩の支援”に注力していくそうだ。


■被災地を支援する企業ネスレに入るためには?
地味な活動だが意義の大きい被災地支援。こうした活動を企業の側から参加したいと思う人もいるだろう。そこでネスレ日本の採用活動について紹介しよう。

まずネスレ日本だが、エントリーシートや入社式をすべて廃止しているのが特徴だ。これは企業に選ばれるのではなく、主体的に就職活動をしてもらいたいという思いから。留学や研究など、より一層学業に打ち込めるように、就職活動の時期を選んでエントリーが可能となっている。

多様な人材が協働し、シナジー効果を最大化することによって、組織、ひいては社会を活性化させたい。そういった思いから、ネスレ日本が始めた採用システムが「ネスレパス」である。実際に春夏冬の3回に分けて募集をかけており、次回は5月募集予定。内定受諾を求めることはなく「他の企業も見てきてください」というスタンスで面接を行っている。


■60歳以上を対象とした「シニアスペシャリスト採用コース」も
そしてネスレ日本では、60歳以上を対象とした「シニアスペシャリスト採用コース」を行っている。働く意識が高く、経験や専門知識が豊富なシニアを積極的に採用。人数を定めず、通年採用。採用後の能力を見て正社員への登用もするという。

これは性別、国籍、年齢、障がいの有無、ライフステージ(育児や介護)などに関わらず、様々な個性を持つ社員が集まった組織こそが新しい発想やイノベーションを生むと考えているからだという。


■積極的にお客様に声をかける、ネスレの新しい消費者コミュニケーションとは
通常、企業のコールセンターは、客からの問い合わせに電話やメールで対応することがほとんどだ。クレーム対応などのイメージが強いコールセンターだが、ネスレ日本では「VOC推進室」という部署が存在し、ネスレ製品などについて発信されたTwitterのコメントに対し、積極的にコメントを返す担当者がいる。

自社製品を買ってくれる人々へさりげなくメッセージを送ることで、そうした人たちとのエンゲージメントをさらに深めていこうという試みだ。最近でいうところのアナログハック、デジタル化世界の中でもアナログ的な要素を加えた工夫をしているのだ。


以上、ネスレによる被災地復興の応援活動などを紹介した。同社によるこうした活動に賛同したり、内側から参加したいという人がいればネスレへの就職を目指すのもいいだろう。

また、こうした支援活動を外からサポートしたいというのであれば、同社製品の購入などで、同社の被災地支援を外から支えることができるだろう。

■ネスレ日本

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