帝京大学がボルシア・ドルトムントと学術研究パートナー契約を締結
ITライフハック / 2018年6月28日 9時0分
帝京大学は、サッカー部門がドイツのブンデスリーガに属する総合スポーツクラブ「ボルシア・ドルトムント」と学術研究パートナー契約を締結したことについての発表会を開催した。
■スポーツクラブと大学との学術研究パートナー契約
帝京大学の冲永佳史学長は締結した契約について、2018年7月よりグローバル人材育成プログラムの一環として契約を執り行い、実行することになったと語る。ここではスポーツフロントの構築、スポーツクラブマーケティング、スポンサーシップ、若手育成方法について、クラブの幹部やスタッフ、パートナー企業と交流する中で、それぞれの立場、視点を通じて学ぶことになるという。
「かつて経営破綻にあったクラブが会員数およそ15万人を誇る世界的なスポーツクラブへと再生する。このプロセスを含めて、戦略的な経営ノウハウを直接学べるプログラムにしたい」(冲永氏)。また、ボルシア・ドルトムント・パフォーマンスセンターの見学会も行って、学生それぞれの興味を重んじながら、学びを深めていくとのこと。
帝京大学の冲永佳史学長
■スポーツクラブと大学との提携は信頼で成り立つ
ボルシア・ドルトムントのチーフ・マーケティング・オフィーサーのカーステン・クラマー氏は「私たちのようなサッカーチームを主体としたスポーツクラブが教育機関と提携するのは珍しいこと。契約に至った背景には大きな信頼が不可欠である。そういった意味で帝京大学の皆さん、冲永先生が我々に大きな信頼を寄せてくれてとてもうれしい。我々の経営ノウハウを少しでもお伝えできれば喜ばしいことだ」と語る。
ボルシア・ドルトムントCMO カーステン・クラマー氏
■芝生の上だけで学ぶのではなく、そこから出たあとも学び続けることが大事
帝京大学が掲げる「自分流」という理念にも共感を示したというクラマー氏。ボルシア・ドルトムントは教育、そして若者の能力開発に重きを置いているそうだが、クラマー氏が若手に常に言っていることは、芝生の上でプレイすることだけが重要なのではなく、そこを出て自分を開発すること、教育することは重要だということ。「芝生の上だけで機会を提供するのではなく、そこを出たあと、長い人生で自己を開発し、学ぶ機会を提供することも重視している。私たちはチャレンジ、攻撃的な姿勢を忘れないチームでありながら、若手を育成し、社会に貢献できるチームでありたいと思っている」(クラマー氏)。
■今後の展望について
再び冲永氏が登壇し、今後の展望について語った。「いろいろな企業とタイアップしながら、実学を通してグローバル人材を育成していく。これを大学を挙げて実行していくが、今回の契約はあくまでもその手段の1つ。今後は経済学部だけでなく、帝京大学の学生秘録に渡って機会が得られるようにして行く」と冲永氏。「スーパースターを連れてくるのではなく自分自身で育てるというボルシア・ドルトムントの姿勢は、大学における次世代における人材の育成に通じるものがある。さまざまな文化に身を投入しながら多面的にものを見る視点を獲得していく。この哲学をより進化していくためにも、今回の契約が必ず視野後押ししてくれるものと認識している」(冲永氏)。
■ボルシア・ドルトムント流の経営哲学について
これを受けてクラマー氏が登壇。ボルシア・ドルトムント流の経営哲学について語った。「ボルシア・ドルトムントは伝統はあるが、いまの形態としては中小企業。経営が難しい時代もあった。しかし投資家やさまざまな助成金を使って今日まで育ってきたわけではなく、自分たち自身の力で経営を建て直してきた。学生の皆さんが自力で人生を切り開く力を与えるというところに非常に共感した」とクラマー氏。
ボルシア・ドルトムントの経営哲学は、1ユーロも借金することなく、赤字を出すことなく、スポーツのパフォーマンスを最大限発揮することであるという。ボルシア・ドルトムントのメンバーは15万人以上。観客動員数は8万人以上、定期的に試合に足を運ぶ人は5万5000人以上いるそうだ。これはみんなドルトムント近郊の人で、その人々が信頼を寄せてくれているということに他ならない。
これに応えることが必要だとクラマー氏は語る。「それが成功に結びつくことを証明したのがブンデスリーガで優勝したこと。2012年と2017年にはドイツカップで優勝。10年来、チャンピオンズリーグへの出場権も獲得している。経営理念がスポーツと結びつくということを証明している」とクラマー氏。
「学生の皆さんがボルシア・ドルトムントという形態に興味を持ってもらい、スポーツ選手としてだけでなく、スポースビジネスで成功を収められるということを少しでもお伝えできればと思っている」(クラマー氏)。
香川真司選手も応援メッセージを贈った
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