「JR東海「そうだ 京都、行こう。」春はあけぼの編」で建仁寺を堪能する
ITライフハック / 2019年2月1日 9時0分
「そうだ京都、行こう。」はJR東海が主催する観光キャンペーン。これまでITライフハックでは「刀剣乱舞ファンも楽しめる!JR東海の「そうだ 京都、行こう。」× 京(みやこ)のかたな展ツアー」「初秋の京都でモシュ印とコケ寺リウムを楽しむ旅~初日、東福寺、旧三井家下鴨別邸、常寂光寺~」「初秋の京都にオリジナル苔アートが登場。苔の名所 5寺院で「モシュ印・コケ寺リウム」展示」と数多くのツアーに参加してきた。今回も「春はあけぼの」をテーマとしたツアーが企画されたので、そのレポートについてお届けしよう。なお本記事のほかにも転法輪寺、東寺、清水寺、平等院を回ったレポートが掲載されているので、そちらも参考にしてほしい。
ツアーは2019年1月17日、18日の両日に渡って開催された。17日はまず転法輪寺を回ったあと建仁寺へ。かなりの広さがある建仁寺だが、塔頭寺院である両足院と正伝永源院を訪ねてきた。なお今回は写真を撮影して掲載しているが、特別に許されたものだ。文化財や茶室の内観は、通常は撮影することができないので留意してほしい。
■現代の雪舟が描いたふすま絵を見ることができる「両足院」
両足院でまず訪ねたのは、現代の雪舟とも言われている七類堂天谿氏が、新しく7年の歳月をかけて練り上げ、描いたふすま絵だ。3部屋にわたって描かれており、中央にはお釈迦様とその弟子たちが、西側面には両足院の開山である龍山徳見禅師が描かれているほか、東側面には建仁寺開山の栄西禅師が象に乗った姿も描かれている。
お釈迦樣が霊鷲山で説法した時の姿が描かれている「教外別伝図」(文化財は撮影不可)
釈迦の説法を聞く弟子たち(文化財は撮影不可)
寝ている人、話を聞いていない人などいろいろな弟子がいる(文化財は撮影不可)
通常、ふすま絵などを収める時には、作家がアトリエで描くのが普通だが。今回は副住職と天谿氏が徹底的に語り合って作り上げたそうだ。とても迫力のある絵となっているので、ぜひ拝観しておきたいところだ。
迫力のある龍が描かれている黄龍傳燈図(文化財は撮影不可)
栄西禅師の顔がなんとも優しい(文化財は撮影不可)
そして今回の特別公開ならではの展示が、慶長年間に描かれた長谷川等伯による「竹林七賢図屏風」と「水辺童子図」だ。17世紀に描かれた障壁画が今でも残っていることがとてもありがたい。京都を訪ねているからこそ出会える水墨画たちを徹底的に堪能したいところだ。
竹林七賢図屏風(文化財は撮影不可)
水辺童子図(文化財は撮影不可)
こうした絵画をじっくりとめでたあとは、その庭に目を向けてほしい。庭に特徴がある禅寺は多いが、両足院もまさにその通り。見事に配置された石たちと中央に存在する池。冬の寒々とした光景でもわびさびを感じるところがなんともいい。
なお両足院では、2月1日~25日に伊藤若冲による「雪梅雄鶏図」が、2月26日~3月18日には「しろき観音像」が展示されることになっている。
■細川家と織田有楽斎につながる「正伝永源院」
続いて訪れたのは正伝永源院だ。ここには織田信長の弟で、家康の時代まで生き延びた織田有楽斎の墓があることでも有名だ。
織田有楽斎の墓があることを示す碑
正伝永源院は実は、「正伝院」と「永源庵」という2つのお寺から構成されている。正伝院は鎌倉・建長寺の蘭渓道隆の弟子が作ったもの。しかし2代目以降に荒廃してしまう。それを再興したのが有楽斎だ。ちなみに有楽斎が居を構えたのが東京の有楽町あたりということで、「有楽町」という名前になったとか(諸説ある)。数寄屋橋のあたりにお茶室があったんで、「数寄屋橋」という名前も残ったと言われている。
一方の永源庵は肥後・細川氏の菩提寺。そのため永源庵は栄えていくが、明治に入って廃仏毀釈運動の影響もあり、正伝院と永源庵が合併することになった。正伝院には有楽斎が作り上げた茶室があったのだが、明治に入って移築されてしまい、20年前に復元したのだそうだ。
再現された茶室「如庵」
正伝永源院を訪れた時にまず見てほしいのは、狩野山楽による「蓮鷺図(れんろず)」。狩野山楽は秀吉子飼いの武将だった。ある時秀吉の目の前で白砂につえで絵を描いたのだという。それを気に入った秀吉が狩野派に入れて、京都狩野派の始祖となっていくのだが、大坂夏の陣で豊臣家が滅亡したあとに、残党狩りの標的となってしまう。命乞いをしたのは有楽斎だった。そのお礼に正伝院に奉納されたという由来があるのだ。
蓮鷺図はその名前の通りハスとサギを描いているが、人生を模したものだと言われている。つぼみから満開、そして散り、種を残して子孫をつないでいく。とても素晴らしい障壁画なので、ぜひとも見てほしいポイントだ。
狩野山楽による「蓮鷺図」(文化財は撮影不可)
この絵はもともと正伝院にあったものを永源庵に移してきたため、高さが足りず金箔を継ぎ足している(文化財は撮影不可)
なおここには、元首相・細川護熙氏による障壁画もあり、蓮鷺図の両隣の部屋に収められている。ほかにも期間限定の特別展示として、狩野山楽が描いた「織田有楽斎画像」が展示されていた(1月27日まで)。
細川護熙元首相作「知音」(文化財は撮影不可)
細川護熙元首相作「聴雪」(文化財は撮影不可)
織田有楽斎画像(1月10日~27日の展示)(文化財は撮影不可)
正伝永源院にもきれいな庭があるので、障壁画を堪能したあとは庭に癒やされてみてはいかがだろうか。正伝永源院の次の公開は3月1日からだ。
たまたま庭に1羽のサギが降り立っていた
正伝永源院にある細川家代々の墓
このあとは2日目に訪ねた龍安寺、仁和寺をご紹介していきたい。
■そうだ 京都、行こう。~京都への旅行、観光スポットで京都遊び~
■「春はあけぼの 京都の世界遺産いちばん乗りツアー」旅行商品
■京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」
■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITライフハック Facebook
■カルチャーに関連した記事を読む
・朝焼けスポットから見る美しい日の出!JR東海「そうだ 京都、行こう。」続・春はあけぼの編・再ブーム到来!大人気のアイテムを簡単に手作りできる「ぷにデコ スライムパレット」
・「エンゲージプリンセス」のボカロP新作書き下ろし楽曲を発表。バトルシステムおよび、歌姫として登場する4人の新キャラクターを初公開
・ビル・ゲイツも実践している瞑想本で、ストレスで疲れた心をととのえよう!「からっぽ! 10分間瞑想が忙しいココロを楽にする」
・ニコ生で特別公開!N高等学校で「『はたらく魔王さま!』和ヶ原聡司先生の講義を開催。一般にも開放
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本酒発祥の地、かつて「宗教都市」の様相も 正暦寺 社寺三昧
産経ニュース / 2024年10月21日 11時18分
-
実物と遜色なし…国宝「風神雷神図屏風」を42億画素で忠実再現するキヤノンの技術力
産経ニュース / 2024年10月18日 8時0分
-
本能寺の変で縁戚の光秀に目もくれず秀吉に評価された…常に勝者側についた"時流読みの天才"の名前
プレジデントオンライン / 2024年10月5日 16時15分
-
“一休さん”の名勝庭園茶室「虎丘庵」を見学。京都の古刹「酬恩庵 一休寺」の秋季特別拝観
IGNITE / 2024年10月5日 13時0分
-
酬恩庵 一休寺 名勝庭園茶室「虎丘庵」2024年秋季特別拝観
PR TIMES / 2024年10月1日 13時15分
ランキング
-
1「出前館」障害発生から3日 いまだ復旧せず
ASCII.jp / 2024年10月29日 12時5分
-
2任天堂、なりすましメールに改めて注意喚起 対応を誤ると不正ログインされる可能性も
ITmedia NEWS / 2024年10月29日 13時54分
-
3超薄MagSafeモバイルバッテリー、厚さ8.6mmはiPhoneのレンズよりちょっと出っ張るぐらいです
&GP / 2024年10月29日 6時30分
-
4半数以上が「最新のパッチを適用済み」なのに、サイバー被害に遭うワケ
ITmedia エンタープライズ / 2024年10月29日 7時15分
-
5渋谷PARCOの「Xiaomi POP-UP Store」で閉店セール - 60製品以上を特価販売
マイナビニュース / 2024年10月29日 9時28分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください