速度差4倍以上! Kingstonの爆速microSD「SDCA10 Class 10 UHS-I microSDHC/SDXC」
ITライフハック / 2014年9月30日 17時0分
以前『3倍速く、さらにできるようになったKingstonのデュアルインターフェイスUSBメモリ「DataTraveler microDuo」』というレビュー記事でKingston TechnologyことKingstonのデュアルインターフェイスUSBメモリ「DataTraveler microDuo」の新モデルを紹介した。
その「DataTraveler microDuo」の新モデルはUSB3.0に対応したことにより規格上の転送速度理論値が最大5Gbpsへと飛躍的に向上している。そしてその読み書き速度は、掛け値なしに高速であったことを紹介したと思う。
実は「DataTraveler microDuo」と同時に発表されたmicroSDHC/SDXC製品がある。それが今回紹介する「SDCA10 Class 10 UHS-I microSDHC/SDXC」だ。同製品のパッケージには最大での読み書き速度が、読み込み90MB/秒、書き込み45MB/秒と堂々と記述してある。ということでその速度が本当なのかどうかベンチマークテストを使って検証した。
■まずmicroSDHC/SDXCとしてのスペックをざっくりチェック
まず本製品は、microSDサイズのSDHC/SDXCメモリーカードである。容量は16GB/32GB/64GBの3種類。そのうち16GBと32GBはSDHC規格で64GBモデルがSDXC規格となっている。
ここ1~2年のスマートフォンであればほとんどの機種でSDXCまでに対応しているので、まず間違いなく利用できるだろうが、この記事を読んで購入を検討したという人は、事前に自分のスマホで利用できるかどうかは必ず確認しておくことをお断りしておく。
なお、パッケージとしてはSDカードアダプターが付属するものとそうでないものに分かれており、容量が3種類、アダプターのアリ/ナシで計6種類が用意される。ファイルフォーマットは16GBと32GBがFAT32、64GBモデルがexFATとなる。
さて、先述したようにKingstonのClass 10 UHS-I microSDHC/SDXCは、パッケージに読み込み90MB/秒、書き込み45MB/秒と明記してある。正確には「90MB/s・R」、「45MB/s・W」という表記になっている。小文字のsは、秒を意味するSECOND、RはREADを意味する。またWは書き込みを意味するWRITEという意味である。
実際に読み出し速度が90MB/sで書き込み速度が45MB/sであるかは、テストしてみればわかることだ。ということで64GBモデルを用意し、実際にその速度を検証した。
使ったパッケージはSDカードアダプターが付属しているタイプだ。これならデジタルカメラやデジタルビデオカメラといったSDカードサイズでないと利用できない機器でも、アダプターを併用することで利用できる。スマートフォンだけで使うので、本体だけでいいという人もいるかもしれないが、アダプターはあって困るものではないので、アダプター付きのモデルを最初に購入し、追加購入する際にアダプターなしモデルを選択するという方法がいいだろう。
■SDカードの速度を示すUHS-Iとは?
本製品は、UHS-Iという転送規格に対応している。これはSDカードのバス規格で、さらにその中でも高速転送が可能なUHS-I SDR104に対応している。その理論上の最高速度は104MB/秒となっている。本製品は、そのモードUHS-IのSDR104に対応しており、実測値で最大で90MB/秒での読み出しが可能になっているというわけだ。
なおUHS-Iのさらに上位のUHS-IIとなると最大312MB/秒となっており、ちょうどUHS-IのSDR104の3倍速いということになる。
ただし本製品はUHS-Iによる転送が可能なメモリカードリーダー/ライターでないとその真価を発揮できない。そのため、UHS-Iに対応したメモリカードリーダー/ライターを準備してベンチマークを行っている。また、USBのボトルネックを防ぐという意味で、USB3.0に対応したメモリカードリーダー/ライターを使用した。
同じカードリーダー/ライターを使いUSB2.0ポートに装着した際の速度も検証しているので参考にしてもらいたい。利用したベンチマークソフト「CrystalDiskMark3.0.3」で、50MB/500MB/1000MB/4000MB設定にして計測した。
まずはPCのUSB3.0ポートに装着し、50MB/500MB/1000MB/4000MBで計測回数は5回にして、各サイズで計測した。最大5GbpsのUSB3.0接続なので転送速度がボトルネックとなることはないはずだ。計測結果は読み出しが最大で約90.2MB/秒となった。書き込みは最大73.62MB/秒と表記の45MB/秒を大きく上回っている。ただ、ランダムの書き込みとなると、途端に速度が低下してしまった。シーケンシャルでの読み出しと書き込みに関しては、掛け値なしと言ってよさそうだ。間違いなく爆速の冠を付けても良いと言える高速性だ。
例えばデジタルビデオカメラやコンデジ、スマホを使ってフルHDサイズの動画を撮影した場合などを想定してみる。動画は連続記録なのでシーケンシャルでデータが書き込まれることになる。こうした用途では、本製品であれば、データの書き込み速度が追い付かなくて映像がカクカクしてしまうといったことに悩まされることはないだろう。快適な動画撮影を楽しむことができる。
またサイズの大きなフルHD動画を再生する際を考えてみる。シーケンシャルリードで90MB/秒というのは、フルHD動画などの再生が非常にスムーズに行えるであろうことを示している。また、最近の最新スマートフォンでは、フルHDの上を行く4K解像度への対応も進んできており、そうなるとUHS-I対応は最低限満たしている必要があると言える。それを考慮し将来的に、そうした高機能なスマホに買い換えるときのために、いまから本製品を購入しておくという方法もアリだろう。
■USB2.0環境では、その爆速性は発揮できない点に注意
次にパソコンのUSB2.0ポートに本製品を差したカードリーダー/ライターを装着する。例によって「このデバイスはもっと速く(パフォーム)できます」というメッセージが表示されるが、それはお構いなしにして50MB/500MB/1000MB/4000MB設定で計測した。
なお、USB2.0経由での読み書きでは読み出しが最大で約36.7MB/秒、書き込みが最大約26.5MB/秒となった。さらにUHS-Iに対応しておらず、USB2.0まで対応のメモリカードリーダー/ライターを使ってテストしてみると読み出しで最大が約20.9MB/秒、書き込みの最大が約20.5MB/秒にまで低下してしまった。USB3.0環境と比べると実に1/4の速度低下だ。
以上のようにUHS-Iに対応している環境では、本製品は、USB3.0およびUHS-Iに対応している環境下において最大のパフォーマンスを発揮することが分かってもらえたことと思う。たとえばスマホのデータ保存や静止画撮影といった用途では、UHS-IやUSB3.0対応の恩恵は得られないかもしれない。
しかし、本製品を使ってPCとデータをやり取りする際にUHS-IとUSB3.0に対応したメモリカードリーダー/ライターを使うことで劇的に速度が向上する(USB2.0環境のおよそ4倍)。あっという間にデータをコピーが完了する。本製品を使ってデジカメで画像や動画を撮影し、それをPCにコピーする際に体感差でわかるほどの違いが出てくる。また、データを本製品にコピーしてスマホでチェックしたいというケースでも、そうした作業が短時間で完了する。
価格はオープンプライスだが市場予想価格としては32GBモデルで2,900円前後、64GBモデルで4,500円前後となっている。この速さであれば、それも十分に納得できる金額だと言える。
以上、Class 10 UHS-I microSDHC/SDXCを紹介してきたが、スマホとPC間でデータのやり取りを頻繁に行うという人、フルHD動画を撮影することの多い人でUSB3.0とUHS-Iに対応する環境を持っているのであれば、文句なしでおススメしたい。
■Class 10 UHS-I microSDHC/SDXC
■Kingston Technology
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