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個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第三十七回

ITライフハック / 2014年11月13日 9時0分

個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第三十七回

■はじめに
今回はKindleストア(KDP利用)やiBooksストアなど、米国企業の運営する電子書店で電子書籍を販売する際に利用するTIN(納税者番号)について触れてみようと思います。

というのは、このTINの取得に関して最近米国の方針(?)に変更があったようで、従来書籍や情報サイトで紹介されてきた方法では対応できなくなっているという話を聞いたからです。

ただ申し訳ないのですが、変更に対応した解決策の提示ができるほど調べが進んでいません。ということで、本エントリの趣旨は、TINの取得方法が変わったことの周知を進めることです。予めご承知おきください。

■TIN(納税者番号)とは
そもそもの話になりますが、TIN(納税者番号)とはどういうもので何に使用するのか、ということについて確認しておきます。

まず、TIN(納税者番号)とは特定の番号体系のことではなく、TIN(納税者番号)として利用できるいくつかの番号体系の総称です。

TIN(納税者番号)として利用できる番号には次のものがあります。

・SSN(社会保障番号)
・EIN(雇用者番号)
・ITIN(個人納税者番号)

これらのいずれかの番号を取得するのは、「米国企業の運営する電子書店で電子書籍を販売し売上を計上した場合に、米国に源泉徴収税を徴収されるのを回避する」という目的からです。

TIN(納税者番号)を取得し、電子書店の示す方法で米国での源泉徴収を回避する情報を提出することになります。

さて、TIN(納税者番号)の取得については、電子書籍関連本や情報サイトの他、KDPのヘルプサイトでももっぱらEIN(雇用者番号)の取得方法が紹介されていました。

他の番号に比べて申請方法が比較的容易で、個人・法人を問わず取得できたためです。
申請には特別な身分証明書などは不要で、発行元の米国IRS(内国歳入庁)のサイトから申請フォームをダウンロードし必要事項を記載してFAXするか、英会話が可能なら電話で取得することも可能でした。

KDPのヘルプサイトでは、申請フォームへのリンクや記入例が詳しく掲載されていて、申請の敷居を下げてくれていました。

私もTIN(納税者番号)の取得に関して人に紹介するときはKDPヘルプの該当ページをお知らせしていたのですが、2014年の夏あたりにKDPヘルプの記入例に基づいて作成した書類をFAXして申請したものが受け付けられないという事例の報告を受けました。

書類の不備ではなく、どうやらEIN(雇用者番号)の取得方法が変わったのではないか、という話も小耳にはさみました。

加えてKDPヘルプの記載も変更になっていました。

・KDPヘルプ「米国TIN(Taxpayer ID Number)の申請」

詳細は実際のKDPヘルプを見ていただくとして、かいつまんで言うと、「個人はITIN(個人納税者番号)を取得し、個人以外はEIN(雇用者番号)を取得してください。取得方法は米国IRSのサイトを確認してね」という感じです。

■TIN(納税者番号)取得について
さて、本来ならここで詳しい取得方法を紹介できればよかったのですが、英語が不得手なせいでピシっとした方法が紹介できません。冒頭でお知らせした通りです。申し訳ありません。

以下、SNSで知人に教えていただいた話に推測を加えて、思ったことを書いてみようと思います。情報を提供していただいた方ありがとうございます。

どうもEIN(雇用者番号)は外国から取得する場合は、FAXでの申請は受け付けられなくなったらしく、電話で行う必要がありそうです。

KDPヘルプによれば個人以外向けとのことですが、個人事業主ならイケるかもしれません。どの道、ある程度の英会話力が必要になるので、英語が苦でない個人事業主の方は米国IRSに電話で問い合わせてみるとよいでしょう。

KDPヘルプに従ってITIN(個人納税者番号)を取得する場合、必要書類として…

・パスポートのコピー(米国領事館または公証人役場で公証を受けたもの)
・前年度の納税証明書
・フォームW-7(米国IRS書類)

などが必要になるようです。

また、ITIN(個人納税者番号)には5年の有効期限があり、失効後には再発行の申請が必要になるとのことです。

EIN(雇用者番号)、ITIN(個人納税者番号)のいずれを申請するにしても、英会話や書類の準備等で難易度が高くなっていることは間違いありません。

少し調べたところ、EIN(雇用者番号)、ITIN(個人納税者番号)の取得代行業者というのも存在しているようです。

取得代行で数万円、電話相談で数千円程度の料金がかかるようですが、このようなサービスを利用するのも一つの方法でしょう。

あるいは、源泉徴収税の徴収を甘んじて受ける(場合によっては還付手続きも諦める)前提で、販売してしまう、というのもアリかもしれません。

しばらく我慢して、コストをかけずに個人で取得するための情報が出てから改めて自分で申請する、という感じで。

■最後に
ネット検索は便利ですが、検索条件(期限)の設定をしないと古い情報がいつまでも引っかかってしまうのが難しいところです。

TIN(納税者番号)の取得についても同様で、EIN(雇用者番号)をFAXで申請する、という方法が上位の検索結果に掲載されてしまうと思います。

検索結果が変わるには相応の期間が必要になると思いますが、まずは内容(本件であれば、申請方法の変更)が周知されることが第一歩です。

ということで、解決策を示せない中途半端な内容ではありますが、取り上げてみた次第です。

内容に間違いなどございましたらTwitter(@HapHands)、メール等で林までお知らせください。

また、有用な情報などございましたらご提供をお願いいたします。

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■著者プロフィール
林 拓也(はやし たくや)
テクニカルライター/トレーニングインストラクター/オーサリングエンジニア
Twitter:@HapHands
Facebook:https://www.facebook.com/takuya.hayashi

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