値段を変えて継続! 2016年度ドワンゴ新卒入社試験も「受験料制度」継続
ITライフハック / 2014年11月13日 17時0分
株式会社ドワンゴでは、本当に入社したい人材に集まってもらうという狙いから2015年の新卒入社試験よりエントリー時の「受験料制度」を導入、実施してきた。本制度の2015年度における実施状況等を踏まえ、2016年度の新卒入社試験においても「受験料制度」を継続することとなった。
■「受験料制度」実施に向けて
現在の新卒学生の就職活動では、インターネット上の就職活動支援サイトを利用することが当たり前となっている。これらの就職活動支援サイトでは新卒採用を行っている企業の情報が簡単に一覧検索でき、また、ボタンひとつを押すだけで何十社もの企業に同時に資料請求を行うことが可能になっている。
このため学生が就職試験を受けるための手間が大いに減り、ひとりでたくさんの企業に対して就職活動をすることがが可能になり、かつ、多くの企業に対して就活するのが当たり前となっている。
2014年度の学生モニター調査によれば、大学生1人あたりの企業に対するエントリー数が平均93社を超えており、学生が集中する首都圏では平均で100社以上もの企業にエントリーしていると考えられる。
しかし、100社以上の採用試験を受けていたとしても、企業が採用する人数が100倍になるわけではないし、学生が何社から内定をもらっていても、最終的に入社できるのは1社だけというのは変わらないのである。
結果的には就職活動や選考の手間だけが100倍に増えてしまい、何社応募してもまったく採用されない学生が大量に発生する一方で、一部の学生はひとりで何社もの内定を獲得するため、企業側もせっかく内定を出しても内定辞退者が続出するなど、手間が増えたのに、かえって企業と学生のマッチングがうまくいかない状況となっている現状があった。
また、企業側は応募者が多すぎるため、ひとりひとりの応募者を面接などで時間をかけてじっくり採否を判断することが困難となっている。そのため、学歴や能力テストの結果など画一的な手法に頼って、大量の応募者をふるいにかけて足きりせざるをえなくなっているわけだ。
このことは、前述の一部の学生に内定が集中し、受からない学生は例え100社以上受けても内定はひとつももらえないという傾向が、悪循環として拡大する要因となっている。
株式会社ドワンゴではこうした状況になんとか一石を投じられないかと、2015年の新卒入社試験よりエントリー時の「受験料制度」を導入、実施した。本当に入社したい人のみにエントリーしてもらい、集まった応募者の採用活動に時間をかけて一人ひとりの潜在的な能力をしっかりと見極めることを行った。
結果、応募者が減少する一方で前年と変わらない数の内定者を出すことができ、さらに内定辞退者も減少するという、期待通りの高い効果を得ることができた(表1参照)。
しかし、本件に関しては東京労働局より、本制度の受験料が採用活動の手数料にあたらない可能性がある等の指摘とともに翌年度以降は実施しないよう2014年8月7日付けにて指導票による行政指導を受けたという。
株式会社ドワンゴでは、その内容を厳粛に受け止め、一部内容を変更し、「2016年度 受験料制度」として、新卒入社試験におけるエントリー時の受験料制度を実施する。要は東京労働局が手数料として認めるように内容を変更して、再度実施するということである。
ドワンゴのような様々なWebサービスを提供している企業にとって、エンジニアは最重要の働き手だ。優秀なエンジニア、向上心のあるエンジニアを雇いたい気持ち、または将来性のある有能な新卒者を雇いたいという思いを成し遂げるには、ひとりで何社も受けるような現状の就活方法では、求めている人材が集まってこないという部分がある。
他の企業への滑り止め的なエントリーなら、して欲しくないというのが企業側の思いだろう。「行きたい企業で不採用だったから、内定もらったドワンゴに行くか・・・」という学生より「ドワンゴで働きたい!ここが第一志望です!」という学生が欲しいに決まっている。そこで受験料の徴収となったわけだ。こうした試みは行うべきだし、間違っているのであれば修正して行けばよい話である。ユニークなことをするのに似合う社風だけに今後の動きにも注目したいところだ。
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表1■2015年度 応募と選考の状況(前年対比)
職種 /書類応募数 /内々定数 /内定承諾数
エンジニア職 /53.4% /96.4% /125.0%
企画職 /29.4% /105.0% /127.3%
計 /36.8% /98.1% /125.5%
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※応募者数は前年比で4割弱と大きく減少したものの、内々定数(採用試験合格者)は前年並み、内定承諾数においては前年を大きく上回る結果となった。
■2016年度受験料制度の変更点について
これまでの「受験料制度」では、「ニコニコ動画」にちなんで2,525円の受験料を徴収していた。これが「2016年度 受験料制度」では、1次試験である書類選考までに実際にかかる費用として算定した金額(約6,000円)を当社と受験生で半分ずつ負担することとし、2016年度より3,000円を受験料として徴収する。また、徴収した受験料の寄付は行わない。
なお、2015年度に徴収した受験料の総額は1,656,400円となったが、当初予定していた「独立行政法人日本学生支援機構」に対する本受験料の寄付についても、行政指導を受けたことに基づいて当機構と協議した結果、中止することも決定された。2016年度の受験料制度の概要は以下、
■2016年度 受験料制度概要
エントリー開始期間:2014年12月1日 ~
対象者:
・2015年4月1日~2016年3月31日の期間に4年制大学・短期大学・大学院・高専・専門学校を卒業・修了予定の人
・首都圏(1都3県、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の人
※上記エリア以外に在住の人は受験料の支払いは発生しない。
金額:3,000円
プレエントリー後、選考にエントリーする際に受験料の支払いが発生。
■ドワンゴ採用サイト
■受験料制度サイト
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