ETFに特化した運用商品が日本に初登場! お金のデザイン「ETFラップ」の取り扱いを開始
ITライフハック / 2014年12月8日 15時0分
現在、日本における個人の金融資産の状況は約53%が円預金となっている。グローバル経済下にある日本を考えると少子高齢化、円安傾向やインフレ懸念を考慮すれば、今後は金融資産を円建てで保有することが、必ずしも資産を守るための最適な選択ではなくなる可能性がある。
そうした状況を踏まえ、株式会社お金のデザインは、日本初となるETF(※)特化型投資一任運用の新サービス「ETFラップ」の取り扱いを正式に開始した。「ETFラップ」は、低コストで世界中の取引所から高品質で安心なETFに投資できるので投資家だけでなく興味を持つ人も多いだろう。そこで同社が主催した「個人資産の重要性を考える勉強会」での話を交えつつ、今注目の「ETFラップ」について解説しよう。
※ETFとは、Exchange Traded Fundsの略で上場投資信託のこと。
■あなたのためのグローバル資産を低コストで簡単に
勉強会は、株式会社お金のデザイン代表取締役である廣瀬朋由氏による挨拶から始まった。その挨拶の中で廣瀬社長は、日本における現在と今後の経済環境について説明した。人口減少と少子高齢化が進む日本は、未だ世界2位の個人資金資産保有額を有しているが、経済成長鈍化と財政状況悪化が大きな問題となっているという。
たとえば日本の個人禁輸資産は円建て資産が97.5%で現預金は53%と米国や欧州に比べると突出して高い。今後進んでいく円安とインフレの懸念があるなか、ひとりひとりに合った堅実な透明性のある低コストのグローバル資産運用が必要となっている。
こうした中で同社はマルチアセットクラスを用いた分散投資をすることにより、リスクフリーな低金利資産への適度な集中を是正することができると考えている。
EFTは、全世界の主な証券取引所で取引可能な「上場投資信託」である。機動性と流動性も高く、国。地域・スタイル。業種など、多様化しているのが特徴だ。ETFは2013年で約5000銘柄あるが、日本におけるETFは数百しかないうえに、個人での運用は難しい状況にある。そこで同社は個人と契約することで、世界中のETF銘柄を扱えるようにしたというわけだ。
米国市場を見てみると、MA(Managed Account)は自分だけのための任せる運用資産で「投資一任運用」である。米国市場では、ベビーブーマーの大量退職を契機に様々な資産運用のニーズが顕著になり、投資一任運用が過去5年間で最大の成長を誇っているという。
『これからは、天災、市場暴落、円安など、いろいろなことが起こっても、不思議ではありません。でも、ひとりひとりが将来の心配をすることなく、人生を暮らしていけることが我々の思いであり、それをサポートするのが我々、お金のデザインの願いでもあります。そのために我々は、「あなたのためのグローバル資産を低コストで簡単に」をスローガンにしたいと思っています。』と、廣瀬社長。
■資産運用は多目的・多機能の時代へ
引き続き、京都大学大学院経営管理研究部の加藤康之教授より、新しい資金運用の潮流とマルチアセットについての説明があった。
新しい資金運用の潮流としては、ベビーブーマーたちの退職と資産運用市場への参入が挙げられる。約700~1000万人の合理的判断をする高リテラシー層が資産運用市場に本格参入することにより、日本の証券市場が様変わりする可能性があるという。
「こういう人たちが入ってくると、2つの効果があるのではないかと思います。ひとつはEPFのような低コストで合理性のある商品へのシフトが進むということです。アメリカでも同じようなことが起こっていまして、一般の商品に比べて、EPFの商品を利用している人たちの学歴が高いという統計が出ています。これは日本でも起こると確信しております。」(加藤教授)
「もうひとつは、退職者の資産運用は、目的が多様だということです。若いときの資産運用は、とにかくお金を増やそうという、そこにつきるわけですけれども、退職したあとは、お金は基本的に減っていくわけですので、減っていくなかで、どういう風に自分の生活を守っていくか、どういう風に自分の生活を楽しんでいくのか、という観点での資産運用ということで、目的がかなり異なっています。多様になってくるというのが特徴でないかと思っています。」と加藤教授は言う。
市場は、インフレ、円安傾向が鮮明になり、安全資産からリスク資産への移行にある。これは安全資産が安全でなくなることを意味しており、スマートベータの組み合わせという資産運用が拡大する。お金のデザインの基本的な考え方としては、投資家が必要とする多様な機能を提供するというものである。
同社の運用手法の特徴は、下記の通り。
・機能ポートフォリオの導入
投資家が必要とする機能を3つに分類し、各機能を組み合わせて提供する。
・多機能(多目標)な下での柔軟な最適化
投資家の多様な目的を取り入れることを可能にする最適化手法(伝統的な最適化はリスク・リターンのトレードオフの下での最適化)
・ETFの活用による効率的資産運用
最も多様な資産クラスを提供するETF市場を利用して機能ポートフォリオを構築。低コストで機能を実現する。
■個人でも機関投資家並みの分散投資を実現
引き続き、株式会社お金のデザイン取締役である北澤直氏により、「EFTラップ」の商品概要プレゼンテーションがあった。
『「ETFラップ」とは、従来よりも低廉なコストで世界中の取引所から高品質で安心なETFに投資することを可能にした運用商品だ。これにより、個人でも機関投資家並みの分散投資を実現することができる。』と北澤氏。
『「ETFラップ」の特徴は大きく分けて、「グローバル」「マルチアセットクラス」「低コスト」の3つがあり、これらが革新性を生み出している。』そのポイントを説明すると以下のようになる。
・グローバル
顧客との一任運用契約により、従来個人投資家ではアクセスできなかった全世界に上場する約5000銘柄のETFにアクセスが可能となる。実際には、株式、債券、コモンディティ等30から40種類のETFがポートフォリオに組み込まれることになるため、実質7000以上の個別銘柄を保有・運用していることと同等の効果を得られることになる。
・マルチアセットクラス
お金のデザインが提唱する「新・財産三分法」に基づいて、オンライン上で顧客一人ひとりのライフサイクルに合わせてプロファイリングを行い、それぞれのニーズに合ったポートフォリオを提案する。
なお、ポートフォリオ構築には、資産運用研究の第一人者である加藤康之教授(京都大学大学院経営管理研究部教授)が監修した運用手法を用いている。
・低コスト
ETFという比較的コストが低い商品を対象とし、かつオンライン上での販売・運用に比重を置くことで、発生する追加コストを最低限に抑えている。これにより、グローバル分散投資のメリットを最大化する仕組みをつくることが可能となる。
また「ETFラップ」の商品性を支える機能ポートフォリオは、従来のリスク・リターンの分散のみに着目していたポートフォリオをさらに細分化、顧客に合わせたテイラーメイドのポートフォリオを作成するもの。全世界に上場する約5,000銘柄のETFを、グロース型・インカム型・インフレ・ヘッジ型の3つに分類して組み合わせて投資することで、一定のリターンを上げつつもリスクをコントロールできるため、資産保全に適した運用が可能となっている。
■2つの支援会社が強力にサポート
最後に株式会社お金のデザインの設立、および営業開始に協力したという支援会社からの挨拶があった。株式会社東京大学エッジキャピタル代表取締役社長郷治友孝氏は、株式会社お金のデザインの社外取締役でもある。同社は、今年の2月にファウンダーの谷家氏から紹介され、3月に廣瀬氏と話したそうだ。
「資産運用の世界で、これからインフレ・少子高齢化が起こってくるなかで、資産保全を主軸のひとつに置いた、ETO直下型の運用ビジネスを独立系としてやりたいという話が廣瀬氏からあり、金融機関のほうからもETFは日本のゲームチェンジャーになるという話があったことから革新的であると思い、投資するに至った。」(郷治氏)。
引き続き、みやこキャピタル株式会社取締役副社長岡橋寛明氏より挨拶があった。同社は株式会社東京大学エッジキャピタルと同じく、株主として、お金のデザインを支援している。同社は京都大学の関連ベンチャーに投資するために、京都大学産官学連携本部から認可をもらい、昨年設立されたベンチャーキャピタルとなる。今年の初め、お金のデザインの会長である谷家氏から紹介され、郷治氏が同氏の経済産業省時代の師匠であったことから、支援することになった。
以上のようにお金のデザインは、それぞれの資産家の「お金のデザイン」を手伝うことを通じ、「ひとりひとりが、将来を心配することなく、自分の人生を自分らしく生きていく」ために資産を役に立てるよう、21世紀の資産形成の社会インフラとなる運用会社を目指しているという。
同社は、今回投入する「ETFラップ」の登場によって、それぞれの資産運用の幅と可能性を広げるものと考えているそうだ。11月4日より先行して会員登録を開始していた「ETFラップ」は、すでに投資家からの反響もあり、約3週間で想定預かり資産額として約2億5000万円を見込んでいるという。
個人資産の運用を任せるのに確実な方法は存在しないが、固い方法、堅実な方法は探せば見つけることができるだろう。同様にお金のデザインは、今後も「資産運用に革命を。」もたらすべく、サービスの拡充に努めていくとしている。興味のある人は資料を取り寄せてみるといいだろう。
■株式会社お金のデザイン
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