もはやこれは1つの文化だ!キーボードに日本特有の細やかさを徹底投入した富士通の新型ノート「GRANNOTE」【デジ通】
ITライフハック / 2014年2月5日 4時0分
インテルが提唱したUltrabookが登場し、それが2-in-1コンバーチブルへと進化しても本体の軽薄短小化は、どんどん進んできている。この影響をもろに受けているのがノートPCの約三分の一近くを占めるキーボード部分だ。薄くするためにストロークを短くしているため打鍵感が非常に悪くなっているのだ。
部品の共通化が進んでいることもあり、この影響は持ち運びに適した小型のノート&Ultrabookだけでにとどまらず、15インチ以上の大型液晶を搭載した製品でも似たようにストロークの浅いキーボードが使われるようになってきた。これを不快と感じるのは、おそらく日本では独自にノートPCが進化してきた歴史を持っているためだろう。
こうした本体の軽薄短小化の波に乗りつつも、打鍵感を重視しキーボードに徹底的にこだわったノートPCが登場した。それが富士通の新型ノート「GRANNOTE AH90/P」である。キーボードの打鍵感という細かい部分にまでこだわり、それを改善してくるというのは、日本人ならではの感覚であり、それを当然のように推し進めることができたのは、富士通という日本に根差したメーカーゆえの英断であると言えるだろう。
■ノートPCを取り巻く日本固有の文化
日本には「モバイラー」と呼ばれる一定数の人々が古くからいる。かつて筆者もその一人だったが、スマホやタブレットの爆発的普及により、いまでは誰もが何らかの情報端末を持ち歩いており衆人環境でノートPCを開いていたとしても、それほど特異な目で見られることはほとんどなくなった。
たとえば日本アイ・ビー・エムは、かつてThinkPadというブランドのノートPCを日本人の心で開発していた。現在は世界最大のPCメーカーとなったレノボへと移譲されており、キーボードにも大和魂が込められていたのが最新のThinkPad X1 Carbonを見る限り徐々に薄められてしまった。この日本らしさという部分が、NECのLavie、富士通のLIFEBOOK、東芝のdynabook、パナソニックのLet’s note、ソニーのVAIOといった国内メーカーの製品にもごく普通に採り入れられ、独自のノートPC文化を築いていた。
そうした部分がグローバル化に遅れてしまい競争力を失ってしまったかどうかは、ここでは言及しないが、ユーザーの使用感といった点に徹底的にこだわるポイントというのを各メーカーが持っており、そこに注力することで、そのメーカーらしさが込められた製品が自然と登場していたように思う。いわば1つの文化を形成していたといっても過言ではないだろう。
結局はコスト優先といううことで「安かろう、でもまあ使える」というレベルの製品に駆逐されてしまうこととなってしまった日本特有のノートPCだが、現在その日本らしさを残すべく、踏みとどまっているのが富士通の「GRANNOTE」であると言っていいだろう。もちろん他の国内メーカーにも、同様のこだわりがあると言え、今後も頑張って残していってもらいたい部分だ。
■かつてのモバイラーも納得のキータッチ感&ストローク
こうした富士通のこだわりが生み出したのが富士通の高齢者向けの「らくらくパソコン」だろう。らくらくパソコンは、ハードウェアは基本的に他製品と同じだが、パソコン初心者やIT機器に疎い高齢者向けに、わかりやすいサポートなどを充実させた製品である。
今回投入されるGRANNOTEは「人生を楽しむ。」大人向けの製品とされているが、筆者のようなアラフォーから、20年以上前からビジネスやプライベートでPCを使いこなしている現在60代のユーザーまでをターゲットにし、かつてのモバイラーが、どういった点にこだわるかを徹底的に調査して製品化されている。
サービス的には、他のらくらくパソコン同様「らくらくコミュニティ」や「My Cloud」が使え、各種外部Webサービスのサポートも含まれる。様々な点でのこだわりがあるが、やはり見ただけで誰でもわかるのがキーボードへのこだわりだ。
一目でわかるのが、アイソレーションキーボードの各キーの高さが高いところだ。実際、3mmのストロークがあり、しっかりとキーボードで打鍵している感覚が欲しい人には待ちに待った製品である。ノートPCは基本的に標準搭載されるキーボードを使うしかない。標準搭載のキーボードが不満だからと外付けキーボードを持って歩くというわけにもいかない。むしろそれをしたら奇異な目で見られるだろう。
■指ごとに異なる打鍵の強さで反発力を変えるという細やかさ
そのこだわりは、すさまじく、ストロークの深さだけでなく、入力する指の位置に合わせキーボードの圧が3段階に設定されている。親指は強く、人差し指は中くらい、薬指と小指で押すキーは軽くといった具合に設定されているのだ。エンターキーは小指で使うが、強めに押す傾向があるため中くらいに設定されているという。
こうしたキーごとに反発力を変化させることで一定のキータッチ感を生み出しているというのだから恐れ入る。他にキー上に書かれているフォントやキー形状など様々なこだわりがキーボードにぎっしり詰まっている。古くからノートPCを持ち歩いて20年近いというような大人なユーザーは、量販店に足を運び他社製品のキーボードに触れてからGRANNOTEのキーに触れてみるといい。日本メーカー富士通の細やかなこだわりを体感することができるだろう。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITライフハック Facebook
■デジ通の記事をもっと見る
関連記事見てわかる冷却性能!ZALMANよりファンレス構造の巨大なCPUクーラー登場今後の高齢化社会を見越してシニアやハイミドル層への配慮を盛り込む富士通のパソコン【デジ通】Wordで何回か前にコピーした文字列を貼り付ける【知っ得!虎の巻】もはやこれは1つの文化だ!キーボードに日本特有の細やかさを徹底投入した富士通の新型ノート「GRANNOTE」【デジ通】東芝「dynabook Tab VT484」のBluetoothキーボードプレゼントキャンペーン第2弾の持つ意味【デジ通】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
キーボードのステップスカルプチャーの美に盾突く、超かわいい子熊キーキャップを衝動買い
ASCII.jp / 2024年12月7日 12時0分
-
東プレ、REALFORCEシリーズにテンキー製品を追加
PR TIMES / 2024年12月3日 12時15分
-
東プレがプロ向けキーボードRealforceシリーズのテンキー「RT1 Ten Keyboard」を発表
ASCII.jp / 2024年12月3日 10時0分
-
セルフ交換バッテリーで業務を大きく効率化! Dynabook、14型法人向けノート「X74(CHANGER)」
ASCII.jp / 2024年11月28日 11時0分
-
Copilotキーや「Office Home & Business 2024」を全機種に搭載し、13.3型モバイルノートPCの機能を大幅強化
PR TIMES / 2024年11月13日 13時15分
ランキング
-
1「モスバーガー」アプリで障害 復旧は2025年1月末の見込み ブラウザからのアクセス呼び掛け
ITmedia NEWS / 2024年12月10日 7時10分
-
2前澤友作氏のKABU&モバイルにやまぬ批判 ソフトバンク回線の提供再開も、「SIMカード届かず」「サポートにつながらず」
ITmedia Mobile / 2024年12月9日 19時29分
-
3売れないスマホやゲーム機がdポイントに ドコモが店頭買い取りに挑戦するワケ
ITmedia Mobile / 2024年12月10日 10時5分
-
4大企業にはマネできない 小さい組織ならではの冴えたランサムウェア対策
ITmedia エンタープライズ / 2024年12月10日 7時15分
-
5「ドコモ銀行」どう実現? 住信SBIネット銀買収の観測も
ASCII.jp / 2024年12月10日 7時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください