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20万円台のSLA方式3Dプリンターが登場!XYZプリンティングジャパン「ノーベル1.0」

ITライフハック / 2015年2月12日 9時0分

20万円台のSLA方式3Dプリンターが登場!XYZプリンティングジャパン「ノーベル1.0」

2月9日、XYZプリンティングジャパンが都内で新製品の発表会を開催した。そこで中小企業向けのSLA方式3Dプリンター「ノーベル1.0」が発表された。従来の同方式3Dプリンターより格段に手に入れやすい値段となるため、高精度な造形を求めるユーザーにはうれしいニュースだろう。2015年3月上旬の発売を予定しており、価格は229,800円(税込)を予定。専用のレジン(500g入り 2本)は15,800円(税込)、専用のレジンタンクは7,200円(税込)で本体と同時に発売を開始する。

今回発表された「ノーベル1.0」が採用しているSLA(ステレオソリグラフィー、光造形)方式は、同社従来品の「ダヴィンチ1.0」および「ダヴィンチ2.0Duo」のFFF(熱溶解積層)方式と比べ約4分の1の薄さの0.025mm~0.1mmの範囲で造形を行える、高精度かつ繊細な印刷方式だ。

「ノーベル1.0」本体とその付属品。完成品を洗浄するためのリンスタブや取り外し用スクレーパーが同梱されており、従来の「買ってすぐ使える」を踏襲していると言える

「ノーベル1.0」本体とその付属品。完成品を洗浄するためのリンスタブや取り外し用スクレーパーが同梱されており、従来の「買ってすぐ使える」を踏襲していると言える

「ノーベル1.0」が採用しているSLA方式は、創作や立体造形、デザインの分野に触れたことがある方には耳にしたことがあるであろう「UVレジン(紫外線硬化樹脂)」を紫外線レーザーにより硬化させて印刷、造形する方式。

レジンタンクに充填されたレジンを感光させて造形するという性質上、上下が反転された状態で出力されるが、同製品専用ソフトウェア「XYZwareNobel」には、転倒防止のためのサポートやエッジ(ラフト、プラモデルでいうランナー)を追加する機能が実装されている。レイヤ高も0.025mm、0.05mm、0.1mmから選択できるので、繊細な造形には0.025mm、簡単な立体には0.1mmといった使い分けも可能。

このような繊細な造形物が下半身から上下反転されて作られていく。過程を見ていれば、さながら悪魔召喚の儀式

このような繊細な造形物が下半身から上下反転されて作られていく。過程を見ていれば、さながら悪魔召喚の儀式

さらに同製品にはレジンの自動充填機能も搭載されている。レジン切れを気にして逐一確認する必要もなくなるため、換気さえ十分にしておけば寝ている間に製品ができている、ということも可能だろ。本体背面にUSBスロットが搭載されており、PCがなくともUSBメモリー内のファイルから出力できる。モデリングを各自で行い、印刷、造形をプリンターのある場所でUSBメモリーを持ち寄って行う、といったこともできそうだ。

ただ少々の問題点として、75%程度のアルコール(市販の除菌用アルコール程度の濃度)での洗浄が必須であること、レジン加工時に十分な換気が必要なこと、印刷前のキャリブレーションが必須であることが挙げられる。

従来より格段に安価になり手に入れやすくなっているので、逆に言えば上記の点さえ気をつければ個人でも簡単に立体造形を始められるということだ。

初めて3Dプリンターを使用する人でも、すぐに使い始められる専用ユーティリティソフトウェアを同梱。作成されたオリジナルデータを公開したり、公開されているデータをダウンロードしカスタマイズしたりできる専用サイト 「XYZプリンティング ギャラリー」を利用できる。そして「ダヴィンチ」シリーズで利用可能なSTLファイルのデータは、「ノーベル 1.0」でも利用可能だ。

筆者も3Dプリンターならフィギュアを作ってワンダーフェスティバルでディーラーになれるのではないかと思えてきた。格安になった高精度3Dプリンターと扱いやすいソフトウェアが用意されており、今まで造形の道に入ることを躊躇していたクリエイターには良いチャンスとなるかもしれない。

(記者:今藤祐馬)

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