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個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第十九回

ITライフハック / 2014年2月6日 0時0分

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■はじめに
2014年2月5日(水)~7日(金)の日程で、出版・印刷関連のイベント「page2014」が池袋サンシャインシティで開催されています。なお、本記事はpage2014初日の2月5日に執筆しているので「開催されています」と進行形で記載しています。

page2014では関連機器、ソフト、サービス等の展示の他、有料・無料のセミナーなどが開催されています。

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今回、無料セミナーを2つ受講してきたので、その辺りについて少し紹介させていただきます。

受講したのは境 祐司(さかいゆうじ)氏の『HTML5でつくる「雑誌」と電子書籍ストアに頼らない直販モデル 〜必要なツール・雑誌の作り方・ビジネスモデルの事例紹介〜』、樋口泰行(ひぐちやすゆき)氏の『Adobe DPSとInDesignで作るiPadインタラクティブ・カタログ』です。内容的に不都合、間違いなどございましたらご指摘いただけると幸いです。

■境さんのHTML5出版セミナー
境さんは、早くから電子書籍・電子出版に取り組んでいらっしゃるデザイナーさんです。海外の情報なども広く収集され実験的な取り組みも積極的に行われ、それをセミナー等で惜しみなく披露してくださっています。私自身も境さんのセミナーにはなるべく参加するようにし、いつも勉強させていただいています。

さて、境さんのセミナーは、電子書籍を既存の電子書店で販売するだけでなく、Webでも発信し個人で課金する形を作る、という形態についての考察がテーマでした。

大まかなフローとしては、以下のような感じです。

1.Webサイトで電子出版の対象となる記事を執筆・連載し発信する。
2.記事が溜まったら電子書籍化して既存の電子書店で販売する。
3.個人でも販売する。

個人で販売する際の決済方法は、データ販売サービス「DL-MARKET」を使っていらっしゃいました。近年Paypalなどさまざまな決済サービスがありますが、決済だけでなくコンテンツデータのやりとりも考えると、このようなサービスを利用するのは現実的な方法だと思います。

セミナーの表題にある『HTML5でつくる「雑誌」』というのは、1のWebサイトをマルチデバイス対応(CSS3 Media Queriesを利用)にして、スマホやタブレットで見たときに出版物のような納まりのよいレイアウトに仕上げる、といった感じかと思います。

境さんは既にご自身で「eBook Strategy Magazine」というサイトでこのモデルを実践していらっしゃいます。

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こちらのサイトではAdobe社のWebサイト制作ツール「Muse」のeBook Strategy Magazine学習ビデオを販売していらっしゃいます。

ここまで実行するのは大変なことですが、高価な機材やアプリなどは使用せず、コスト的なリスクをなるべく抑えているというのが現実的かつ魅力的なところだと言えます。

■樋口さんのADPSセミナー
樋口さんはInDesignで制作するAdobe社の電子出版ソリューション「eBook Strategy Magazine Adobe Digital Publishing Suite」(以下「ADPS」と記述します)の第一人者で同ソリューションの書籍執筆やセミナーを行っていらっしゃいます。

ADPSはプロユースのページレイアウトソフトInDesignを使って作成するソリューションです。

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登場はCS5のときで、主に印刷・出版業界の法人をターゲットとしたサービスでした。私は当時EPUB書き出しの機能をチェックしたかったので、InDesignのパッケージを購入しましたが、InDesignは個人出版をテーマとした場合敷居が高すぎるように感じていました。

しかしAdobe製品がCS6からCCになって状況は変わりました。CCのライセンスを購入すればInDesignを含むAdobeの主要アプリの多くを利用できるようになったからです。

加えてiPad向けのADPSコンテンツをApple App StoreにリリースできるSingle Editionが含まれているとのこと(ただし、リリースにはApple Developer Programに加入する必要がある)。

ということで、私もこのセミナーを受講するまで知りませんでしたが、Adobe CCユーザーにはADPSはグッと身近なソリューションになっているのです。

そのADPSですが、InDesignでページを作成する作業に必要に応じてインタラクティブなオブジェクトと設定を追加することで、比較的簡単にリッチな電子出版物を作成できます。

セミナーでは卓上LEDライトの製品紹介カタログをテーマに、ライトのオン/オフの状態や、カラーバリエーションをクロスフェードの画像切り替えで表現したり、折り畳みの動きを連続画像やビデオで表現したりしていました。

その他、オンライン上のWebコンテンツをADPSコンテンツ内で表示したりと、通常のコンテンツ制作では十分な機能があるように感じました。

■最後に
今回も「他人のふんどし」でしたが、EPUBベースの電子出版とは少し違ったアプローチでいい刺激になりました。

本連載では基本的にEPUBをメインに扱うスタンスは維持しますが、機会があれば他のアプローチにも言及してみたいと思います。

また、今年は改めてEPUB書籍の制作手順も解説していこうと思っています。
今後にご期待ください。

■著者プロフィール
林 拓也(はやし たくや)
テクニカルライター/トレーニングインストラクター/オーサリングエンジニア
Twitter:@HapHands
Facebook:https://www.facebook.com/takuya.hayashi

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