全1751組から選ばれた10組が熱戦!「第2回学校・地元・家族自慢プレゼンコンテスト」決勝大会
ITライフハック / 2015年2月17日 10時0分
以前『大人顔負けの小学生のプレゼン!第二回「学校・地元・家族自慢プレゼンコンテスト」』という記事で紹介したが、昨年の9月1日から11月28日までの間に予選が開催され、1751組の中から、ファイナリストとして10組が選ばれた。
その10組により2015年2月7日、「第2回学校・地元・家族自慢プレゼンコンテスト」の決勝大会が日本マイクロソフト本社にて開催されたので、その様子を紹介しよう。
同コンテストは、朝日学生新聞社が主催。NECパーソナルコンピュータ株式会社、株式会社東芝、富士通株式会社、日本マイクロソフト株式会社の4社の協力のもと、「Office 搭載パソコンを使ったプレゼンテーションの楽しさ」を通じ、日本の未来を担う子どもたちに、ビジネスで不可欠な表現力、コミュニケーション能力を伸ばすことを目的としている。
ICT教育の重要性を広めるため、またプレゼンテーションという学習目的を通じてOffice 搭載パソコンや、いまや大学生の授業やビジネスでは必須とされるプレゼンソフトとなったPowerPointが子どもたちにとって身近になるようにといった目的もある。
■審査員たちを悩ませた素晴らしいプレゼンの数々
先述したように、決勝大会当日は応募総数1751組の中から1次審査、2次審査を勝ち抜いてきた10組の小学生たちが、2013年度グッドデザイン賞受賞の書籍「プレゼンテーション・パターン創造を誘発する表現のヒント」の著者で慶應義塾大学の井庭崇准教授をはじめとする審査員を前にプレゼンを行い、各賞を決定した。
今回、特別審査員として2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事 田中 理恵さん田中理恵さんを招き、彼女の表現者としてのご自身の経験に基づき、小学生たちの数々のプレゼンを審査してもらった。
いずれのプレゼンも甲乙つけがたく、最終審査は審査員たちを大いに悩ませることとなるほどであった。その結果、最終発表の時刻が大幅に遅れるというハプニングとなった。それだけ各プレゼンが優秀であったこと、順位を決めるのがどれだけ難しかったかを示していると言えるだろう。
なお決定した各賞は、下記の通り。
●応募作品数の多さで選出 ~団体賞~
本賞は応募作品数が多かった埼玉県の越谷市立大沢小学校、東京都の江戸川区立南葛西小学校、鳥取県の鳥取市立湖南学園小学校の3校に決まった。受賞校には、後日、賞状と副賞(図書カード5万円分)が贈られる。
●伝統を受け継ぐ僕らの学校~日本マイクロソフト特別賞~
本賞はマイクロソフトPowerPointの機能を効果的に使った和歌山県橋本市立境原小学校に決定した。副賞には、今後もプレゼン技術にますます磨きをかけてもらいたいという思いから、PowerPointの書籍やマウスなど、マイクロソフトに関連した商品が贈られた。
同校が発表したプレゼン「伝統を受け継ぐ僕らの学校」は、曾祖父も通っていたという長い歴史を持つ同小学校を紹介。プレゼン中に地元名産の「はたごんぼ」(ゴボウの一種)をマイクと間違えるパフォーマンスや、地元で長年続く和太鼓クラブを紹介するなど、PowerPointテクニック以外の演出にもこだわりが感じられる内容となっていた。
境原小学校の堀田顕大さんは、「練習した甲斐があった。とてもうれしいです。」と、受賞の感想を述べた。今回のプレゼン資料は、PowerPointを使って1週間ほどで作ったという。受賞の喜びは、一番に両親に伝えたいとのこと。
●パフォーマンスが秀逸! あの有名人が愛した能とは?~NEC賞~
本日の審査の中で、もっともユニークで個性あふれる作品であると、会津若松市立日新小学校のプレゼンがNEC賞に選出された。同校の「あの有名人が愛した能!」というタイトルのプレゼンは、地元の能について説明しながら、能を舞うというパフォーマンスまであり、非常に凝った内容になっていた。
受賞者のひとりは、「能についてたくさん調べられたので、見てもらえてうれしかったです。」と、素直な感想を述べていた。
●ビバ! ぼくらの遊び場~東芝賞~
東芝賞は、東京都世田谷区立桜丘小学校のプレゼンに贈られた。もっとも自分の学校、地元、家族への情熱が伝わってきたことが選出の決め手となったという。同校のプレゼン「ビバ!ぼくらの遊び場」は、NPO法人プレーパークせたがやが運営している「プレーパーク」を紹介、その魅力が伝わる作品に仕上がっていた。ボイスパーカッションとラップを交えた、プレゼンの切り替えに「ビバ!ぼくらの遊び場」と大きな声で叫ぶパフォーマンスが好印象だった。
授賞に関し「2年連続の東芝賞で、超うれしかった。」という感想に、会場からは笑いがわく場面もあった。プレゼンター3名が着ているTシャツは、晴れ着のプレリーダーが描いたものであり、ひとつひとつの絵は異なるが、すべてホースで繋がれているというユニークなもの。Tシャツの後ろもホースの絵が描かれている。
●輝き続ける清泉小学校~富士通賞~
もっともチャレンジが感じられた神奈川県鎌倉市の私立清泉小学校には、富士通賞を受賞した。同校のプレゼンでは、同小学校の3年生が1年間取り組む「鎌倉調べ」や教育方針である「総合学習」、「三浦自然教室」の3つを紹介。常に笑顔を絶やさず、「スマイル・メイク・スマイル」というかけ声が印象に残ったプレゼンだった。
「うれしいです。最初は緊張したんですけど、学校のよさを皆さんに伝えることができてよかったです。」とプレゼンターのひとりは語っていた。
●神と紙のまち岡本~朝日小学生新聞賞~
審査員による総合点がもっとも高く、もっとも優れているプレゼンとなる朝日小学生新聞賞は、福井県越前市立岡本小学校に決定した。同校は、「神と紙のまち岡本」というプレゼンを披露。地元の越前和紙に加え、日本で最も古い紙の神様の伝説を紹介。
「自分の中で100点満点。」との素直な感想に、会場からは笑いがわき、割れんばかりの拍手が送られた。プレゼンの準備に、1か月ほどかかったという。土日は、いつも集まって練習したとのこと。休日返上の努力が見事に実った形となった。
特別審査員の田中理恵さんは、今回のプレゼンを見て、2020年オリンピック・パラリンピックを招致するために行ったプレゼンを思い出したとのこと。「皆さんが堂々と元気よく、パフォーマンスや、しっかりとプレゼンをされている姿を見て、感動しました。そして、皆さんの元気と勇気に、少し私も頑張ろうかなと、いろいろと励まされる部分もあった。今回こうした機会をいただき、数々のプレゼンが見られて私自身も幸せでした。」との感想を述べていた。
応募総数1751組の中から、選りすぐられた10組だけあって、どのプレゼンも秀逸なものばかり、どれが賞をとってもおかしくないほどであると感じた。今回の参加者たち全員がきっと、日本の未来を背負っていいってくれる、そんな期待さえ感じさせる大会であったと言えるだろう。
■朝日学生新聞社
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