「私は帰ってきた!!」新生VAIOの第1弾パソコン発表─「VAIO Z」「VAIO Z Canvas」
ITライフハック / 2015年2月17日 13時0分
昨年7月にVAIO株式会社として活動を開始してから初めてフルスクラッチで開発したパソコン「VAIO Z」と「VAIO Z Canvas」が2月16日にお披露目された。
よく言われる言葉だが、「私は帰ってきた!!」との印象を深くしたのが今日の発表会だった。
登壇席で粛々とPowerPointをめくりつつしゃべるのではなく、ステージ前に設置されたプロンプターを見ながら、アメリカンスタイルで時にはモーションをつけつつ解説する。
こういったスタイルにも「新しいもの」を携えて、もう一度PC市場に戻ってきたぞ、という感を強くした。ということで、その発表会の様子と実機の詳細をお伝えしよう。
今回のVAIO Zが重視したのは「最高のアウトプットを求める人へ」のツールとしての位置付けだ。同社曰く「圧倒的なレスポンスを持つ『道具』」「一日中、どこでも完璧な仕事ができる『道具』」「ユーザーの新たな可能性に応えらえる『道具』」。いずれも「道具」という言葉が添えられており、『使う人のための「道具」、使うことができる「道具」』といったように道具が1つの柱となっている。
こうした“あつらえ”をするためには何が必要だったのか?
キーボードフレームとパーム部を一体化する「ブラスト加工アルミ」は東陽理化学研究所と、「高演色LED&集光バックライト液晶パネル」はパナソニック液晶ディスプレイと、「流体動圧軸受ファンは日本電産と、極薄高効率ヒートパイプはフジクラと、「静音キーボード」は沖電気工業と、「UDカーボン」は東レと、と言った具合に、それぞれを得意とする日本企業とのコラボレーションがぎっしりと詰まっているのだ。
「初めから日本製にこだわったわけではない。製品にこだわった結果、日本製となったということ」(同社代表取締役社長 関取高行氏)。
レスポンスを高めるにはどこに着目すればよいのか? その答えがインテルの第5世代のCoreプロセッサーである「Core i5-5257U」と「Core i7-5557U」の採用だ。このCPUを搭載し、満足できる処理性能を実現するための高密度実装基板、そして放熱設計技術といった、独立前の昔から得意としてきた技術をふんだんに盛り込んでいる。
また1日中使う道具として「バッテリー駆動15時間」を実現しているのもポイントだ。
ほかにも性能を示すスペックには表れないものの、持ち上げた時のひずみを小さくするための剛性と質感の追及。そして打っているときに感じる心地よい打鍵感、さらに打鍵音にまでこだわったキーボードなど。こうしたこと1つ1つを、製品化時に「実現したいこと」とし、スペックを決めていったところが、新生VAIOの最大の特徴と言える。
「MONSTER PC」という別の名前を与えられたVAIO。市場想定価格は19万円からで、2月に発売される。
■VAIOが本気(ガチ)でタブレットを作るとこうなる!
そしてもう1つのVAIOとして登場したのが「VAIO Z Canvas」だ。こちらはWindowsタブレットとしてのVAIOとなる。なお、こちらはすでにプロトタイプがメディア等に発表されており、その前評判が非常に高い製品であった。今回ようやく正式なラインアップに加えられた、ということになる。
VAIO Z Canvasのコンセプトとするのが「無から創造する」というイメージだ。このため、あるものを消費してしまう「タブレット」というネーミングではなく、「Canvas」と名付けられたとのこと。
国内外のさまざまなクリエイターにVAIO Z Canvasを触ってもらい、クリエイティビティーを試してもらっているという。
ひとつ大きなエポックとしては、「荒川アンダー ザ ブリッジ」や「聖おにいさん」などで有名な漫画家の中村光氏が、2月21日に講談社から発売される「モーニング・ツー」の表紙を、同機を用いて描いたそうだ。表紙の表現力にも対応できるVAIO Z Canvasの実力を、早く見てみたいものだ。
VAIO Z Canvasは20万円台後半から。5月に発売予定だ。以下は発表会場内での新製品のポイントとなる部分を紹介している様子だ。
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