ビジネス・ブレークスルー大学とテックレジデンスが「時間」と「IT」をテーマにハッカソンを開催
ITライフハック / 2015年2月20日 13時0分
株式会社ビジネス・ブレークスルーが運営するビジネス・ブレークスルー大学(以下、BBT大学)は、去る2月8日、株式会社ウィルグループが運営するITエンジニア向けシェアハウス「TECH residence表参道」(テックレジデンス表参道)と、ハッカソン(※)を共同で開催した。
※「ハック」(hack)と「マラソン」(marathon)からなる造語。ソフトウエア開発者が集まって、プログラムの開発やサービスの考案などで、技能やアイデアを出し合い、競い合う催し。
本イベントは、テックレジデンス表参道の住人であるITエンジニアの方々と、ビジネスの最前線で活躍するためにビジネス×ITを実践的に学ぶBBT大学の学生との交流によるスキルの向上を目指して開催されたものだ。住人・学生だけでなく、一般の方も参加できるようにオープン開催となっており、新しいサービスの創出に興味のある人であれば、誰でもその実践的な機会が体験できるイベントであった。
当日はイベントのアドバイザーとして、旅行を通した人材育成事業を行う株式会社BADO代表取締役の須子善彦氏(以下、須子講師)をはじめとしたBBT大学の講師陣が立ち会い、適宜テーマに沿ったアドバイスを行った。
■チームに分けアイデアを出し合う「アイデアソン」
今回のテーマは、「時間」と「IT」。インターネットやスマートフォンなどを常に利用できることが当然となりつつある今日、ITによって多くの人々の時間の使い方が急速に変わりつつある。そうした背景から、この変革期に「時間」と「IT」をテーマに、時間の使い方、さらにはライフスタイルをより良くしていくようなアイデア・サービスを開発してもらおうというのが狙い。
イベントは、あらかじめ用意されたスケジュールにしたがって進行。午前中は、「アイデアソン」ということで、アイデアの競い合いを行った後、チーム分けといった流れになった。ユニークだと思ったのが「マンダラート」だ。「マンダラート」は、アイデアを引き出す手法のひとつ。9つのマスに関連した言葉を書いて発想を広げていくというものだ。
引き続き、ペルソナシート、スピードストリーミングを実施したのち、出てきたアイデアをまとめ、アイデアシートを作成して提出。その後、投票タイムとなり、投票で上位を得たアイデア、情熱的なアイデアが選ばれ、それぞれ1分間を与えられプレゼンを行った。その後、チームが結成された。
■チームワークが試された作品づくり
チームごとに分かれたのち、作品づくりがスタートした。短い時間であるだけに、企画をどのようにデザインして盛り込むか、プログラミングするか、チームワークも作品づくりの重要な要素となる。
たとえば、プログラマーがプログラミングしている間、プレゼンの資料をPowerPointで作ったり、説明する内容を詰めたりと、やることは山ほど。また、発表時には、その作品の社会的な意義や収益化に至るまで、あらゆることが議論された。
そうして作られたのが以下の作品だ。
●柿谷選手の情報を集約した「KAKITANI STALKING」~チーム「セレッソ大阪」~
「KAKITANI STALKING」は、サッカーの柿谷曜一朗選手(現FCバーゼル所属)についての情報を集約したアプリだ。元日本代表でもある柿谷選手は高い技術力を持った選手で、「天才」と呼ばれるほど才能に満ちた選手だ。発案者自身がサッカーをしていたこともあり、ひと目で彼の虜になったという。
発案者が大学院を卒業し、就職できずに無職になってしまったとき、挫折から復活した柿谷選手のストーリーに感銘を受け、彼の中のヒーローとなった。そんな柿谷選手についてのより詳しい情報を得たいという想いから誕生したのが「KAKITANI STALKING」というわけだ。
「KAKITANI STALKING」では、柿谷選手が出場した試合から好みの画像のトップページを持つことができる。Yahooニュースなどから同選手の最新情報が得られるほか、試合をファン同士で共有することもできる。過去・現在・未来の情報をアプリに組み込んだということになる。
このアプリのインターフェイスを使えば、アイドル系グループやミュージシャンなど、自分の好きなタレントなどに横の展開ができる。ユーザー自身が好きな人のコンテンツを作り、ファン同士で共有できる場を提供したいということだ。
●キャリアーウーマンを増やすための「夢相談」~チーム「生姜焼き」~
「夢相談」は、チーム「生姜焼き」が考えたキャリアーウーマンを増やすためのサービスだ。アイデアは、ひとりの女性の実体験に基づくという。
彼女は学生時代、地方に住んでいて社会との接点が少なかったことから、インターネットを介して日本中の働く女性が繋がれば有益だという発想が生まれたという。
たとえば10代の女性が仕事に就きたいときに、実際にその仕事で働いている女性に直接、仕事の内容や疑問をぶつけることができるというものだ。また同じ仕事に就く夢を持つ学生同士の交流に利用することも考慮されている。
最大の課題はマネタイズだが、女性雇用の促進に繋がることから地方自治体のサポートやユーザー負担による収益化モデルも考えられるとの意見があった。またターゲットである10代女子からは、「今現在、将来のことを具体的に考えることができているわけじゃないので、こういうアプリがあれば、自分がこうなりたい、そのために勉強したい、ということが具体的に決まるので、とてもよいと思う」とコメントがあった。
●目標達成のための時間管理アプリ「Time Saver」~チーム「Time Saver」~
「Time Saver」は、チーム「Time Saver」による時間管理アプリだ。「やるべきことはたくさんあるのに、だらだらと過ごしてしまう」「新しいことにチャレンジしたいが、どれくらいの時間が必要なのか、わからない」といったときに、目的達成のための今日やるべきことにかかる時間を明確化したり、目的達成のための目安となる時間が統計的にわかったり、そうして自分を効率よくドライブすることにより、貯めることができた時間で、自由に好きなことをしようというアプリだ。アプリの流れとしては、ゴールを設定し、シミュレーションを行い、Wishリストに登録する。
「Time Saver」は、シリーズ化が考慮されている。たとえば、「Time Saver for TOEIC」では、今の点数と、目標となる点数を入力して、試験の日付、および平日と休日に勉強できる時間を設定することで、試験までの学習時間が出る。そして、試験までの目安の学習時間が表示されるというもの。
どれくらいの時間を節約できたかをグラフで確認できたり、目標までの進捗度合いをテーマごとに表示したり、ユーザーの学習を強力にサポートしてくれる。
Wishリストは、ご褒美として時間を貯めたときに何をしたいのかを入力する欄。たとえば、「前倒しで1時間余分に勉強した場合、スターバックスでコーヒーを飲む」とか、「12時間貯めたら、ハイキングに行ってよい」とか、自分にご褒美を設定することで、モチベーションもあがる。
また、TOEICの実際の試験でとれた点数を入力し、目標達成までの時間を正確に計算することもできるという。万が一、目標達成に至らなかったときには、どれくらいの学習量で目標が達成可能かを判断する目安にもなる優れものだ。
以上のように、今回のハッカソンは、限られた時間の中でチームを作り、同じ目的のために努力することで、コミュニケーション能力や、目的達成に必要に必要なことの把握、時間管理など、さまざまなスキルを磨くことができる良い機会となった。短い時間ではあったが、参加者にとって、貴重な体験となったことだろう。
■BBT大学
■ITエンジニア専用シェアハウス「テックレジデンス」
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