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2020年に日本はどうなっているのか?「Accenture Link Lounge vol.5」を開催

ITライフハック / 2015年4月16日 9時0分

2020年に日本はどうなっているのか?「Accenture Link Lounge vol.5」を開催

『世界とデジタルの未来に触れる四日間!アクセンチュア就活イベント「Accenture Career Link Events」を開催』という記事でも紹介したように、アクセンチュアは2015年4月1日に東京・代々木にある国立代々木競技場第二体育館にて全5回の5回目となる「Accenture Link Lounge」という就活イベントを開催。パネルディスカッションのほか、来場者参加型のブレストも行われた。

まず行われたパネルディスカッションには、チームラボ代表取締役の猪子寿之氏、AR三兄弟の長男川田十夢氏、慶應義塾大学 政策・メディア研究科特別招聘教授の夏野剛氏が登場。モデレーターは同社のチーフマーケティング・イノベーターである加治慶光氏が務めた。その様子をお伝えしよう。

■2020年とその先に求められるデジタル・ビジネスフィールド

――まずはテーマとして自己紹介もかねて「2020年とその先に求められるデジタル・ビジネスフィールド」についてお聞かせください

夏野氏(以下、敬称略): 2010年に日本は人口のピークを迎えました。1億2800万人。そこからいまは100万人減っています。100万人というと、石川県、富山県1つ分です。人口が減ったといっても一人あたりの生産性を高めればいい、と言っている場合じゃない。

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慶應義塾大学 政策・メディア研究科特別招聘教授の夏野剛氏

いままでのやり方、政策や教育、法制度、市場のルール、会社の成長戦略が変わるんです。少しずつインフレになっていくので、成長しないということは縮小するということだと考えると、いままでと違ったことをやらなければならない。2020年以降生きていく人間はすべて、去年と同じことをやっていちゃいけないんです。新しい価値を生み出さないとパイが増えない。
人口減少の問題が個人に関係ないという話ではなくて、これからのキャリアを考えたときに、ものすごく重い命題となります。どこで子育てするのか? どこで働くのか? 日本国内は閉塞してるんですね。過去からの延長でばんばん手を広げていくビジネスのやり方は、グローバルに行くしかない。国内を中心に生きていくんだったら、去年とは違うことをやらなければいけない。10年前と同じ組織では終わってしまう。過去の成功体験に基づいている経営者なんて追い出す。そういう話しなので、あらゆる側面で人口減少、マーケット縮小が最大の判断要素にしなければならないと考えています。

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チームラボ代表取締役の猪子寿之氏

猪子氏(以下、敬称略):うちの会社はデジタルでアートを作ったり、遊園地を作ったりしています。お台場で展覧会をやっているので見に来てください(笑)。

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AR三兄弟 長男 川田十夢氏

川田氏(以下、敬称略):僕はAR三兄弟という開発ユニットをやっています。テレビ番組を作っています。猪子さんはテクノロジーをアート領域で最前線を担っていると思いますが、僕はお茶の間を拡張したいと思っています。

――2020年がどんな世界になるのか意見をお聞かせください

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猪子氏が手がける「チームラボ踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」に出されている作品

猪子:アートを作った応用としてアトラクションを作っていて。デジタルで作っているのでいままでの床面積は必要ないんですね。1万平米あれば快感を得て帰ってもらえるような、都市型の遊園地みたいなのを世界のどこかの都市に作りたいですね。屋内型の、都市型の遊園地ってある意味産業革命以降の象徴なんですね。全部高速移動型なんですね。産業社会の象徴で。それをマスメディアの象徴であるアニメを元にしたものだったり、ハリウッドを元にしたものだったり、楽しいけど意味はないみたいな。産業社会の象徴的なものだと思っていて、それよりは価値のあるもの、食べ物にしても体にいいとか、料理そのものがアーティスティックだったり、アート的な体感と遊園地が融合したような物を作っていければいいと思いますね。

建築家に代表されるような、物理的な物質を元に都市は設計されているんだけど、いまは全員がインターネットに接続しっぱなしのようなものを持っていて。ネットワーク前提で生きているわけです。物理的な近さが唯一のコミュニティだという前提で話をしているんですが、ニコニコ超会議みたいなのはネットワーク前提でできあがっているし。昔みたいな、原宿だからこういう文化が生まれるとか、物を作ってそこに集まるのがコミュニティではない。都市が都市のまま巨大なアートにもなれるし、遊園地にもなるという。そういう設計をすると東京も面白くなると思うんですね。こうしたものになれる潜在的なポジションがあって、東京がそうなれるのか、それとも世界のどこかがそのポジションを取るのか。

夏野:2020年は、次の100年まだ日本行けるぜとなるか、これでダメねということになるか。真剣にこれは言っていて、2020年は祭りになるでしょ。海外からわーっと人が来るでしょ。こういうときは気分が高揚するから何でもOKになるじゃないですか。首都高とか、新幹線とか。こういったものが日本高度成長の象徴だし、そのあとの成長を支えてきたんですよ、ほんとに。

いま日本を見ると、めちゃくちゃ金余ってるんですよ。1670兆円の個人金融資産があるでしょ。国の債務が1100兆円あるけど、それを引いても600兆円あるでしょ。そのほかに上場企業の内部留保が330兆円ある。金うなってるんだけど、どうやって使ったらいいか分からない。このうち60歳以上が65%を持っている。けどお金を使うところがないんですね。企業でいうと60プラスマイナス5歳はITへの理解が得られてない。僕なんかもおっさんなんですけど、学生時代に表計算ソフトが出て衝撃的だったのは、プログラムを組んで何ヶ月かもかかったのが1セルでできちゃう。俺の苦労は何だったんだ、みたいな衝撃の体験をしているわけです。でも60プラスマイナス5歳は、PowerPointの資料を作ったことがない、表計算ソフトなんていじったこともないみたいな。コーディングしなくてもいいけどマクロくらいは使ってほしいという。やったことがないから分からないんですよ。

でもその人たちが、この5年間は投資する可能性があるんです。この5年間で如何に思い切ったことができるかで2020年以降が変わるんですよ。2020年に祭りが終わるでしょ。そのときには300万人減ってる。ここからぐっと減って1億2000万人を切る。そうするとどうなるかというと、2020年以降は既得権益を持ってる人が絶対に手放さなくなるんです。お金を持ってる人たちは少しでも生きながらえるために、持っている社員を食わすためにますます投資しなくなります。急に縮小する。なのでこの5年間でどれだけリスクマネーを使えるか、どれだけ面白いものを作れるか、これでこのあとの30年40年の日本が決まるんです。

川田:チームラボさんがやっていることって、必要なくなったところへのアートの提示なんですよね。考えて形にしている人って少なくて。敷地が少なくてすむ、あと体感を促すことは、必ずしも遊園地と同じくらいな、何百億円もかけてやらなくてもいいってことなんですよね。またプログラムなのでアップデート可能になる。プログラムで書き換えが可能になる未来なんですよ。それって超重要なことで。豪華な建物を建てるということは、東京には必要ないんですよね。アップデータブルにするというか、そういうことを考えて表現している人がたぶん重要なのかなと思っています。

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川田氏が制作した「東京ラブストーリー」をドローンに演じさせたもの

――2020年より先の人生を考えたときにどう変わっていくのでしょうか

夏野:2020年を見据えると、技術的な進化はないです。いまある技術が普及するかということはありますが、技術的なチャレンジがあるかというと、2020年にはもう間に合わないですね。2020年は現存技術に合わせてどうやりきるか、というのが課題になってますので。なので2020年をターゲットにすると面白くないんですけど。

僕は2045年をターゲットにすると面白いなと思っていて、2045年問題というのは、IT関連の人であれば知っていると思うんですが、2045年あたりにAIの脳が人間の脳を上回ると言われていて人間より賢いコンピュータが生まれるというものですが、僕はそうは思っていなくて、逆にウエアラブルがいらなくなる世界が来ると思っているんですよ。もうすでに、ネットがこの場所まで来ているんですね。何Mbpsというスピードで。

「ラストワンフィート」と僕は呼んでいるんですが、いま脳のインプットは視覚になっているんです。脳からのアウトプットは指。音声認識はあまり使われていないけど、音声と指ですね。これが解消します。脳に直接電気信号が来る世界が2045年には来ると思っていて、その世界が来たときにどうなるかっていうことを、いち早く今から考えた国、個人、会社がIT時代を先取りできると思うんですね。たとえば、いましゃべっていることが、ネット上の情報を見て言っていることなのか、ここでクリエイトしているのかは、受け手は分からない。

僕は2つの創造力と言っているんですけど、人間の脳なんて、メモリ能力から言えばiPad miniに負けているわけですよ。ところがクリエイティブの創造力とイマジネーションの創造力には、2045年程度のコンピュータには負けないでしょう。だから、これから30年かけて磨くべきなのは暗記能力じゃなくて、クリエイティビティとイマジネーションをがんがんやった方がいいでしょ。ゆとり教育の見直しとして何をやらせているかというと、漢字を覚えさせて、歴史を覚えさせて、筆算をやらせているなんて全部ムダ。むしろ新しいこと、これを見て何を感じたのかを表現する能力や、それを元に違う発想をする、こういうことが大事になってくると思っているので。そしてこういうことはすべて「攻殻機動隊」に書かれています。これを知らない役員がいる会社からは、転職した方がいい(笑)。

猪子:話はちょっと変わるんですが、冒頭に夏野さんが言ってた、人口が減っていく? 結構、いくら夢を語っても人口が減っていくと滅ぶと思うんですよ。どうやったら人口が増えるか、なぜ子供が減っているのか、今すぐ手を打っても20年とか30年とかかかるので、きれい事じゃなくちゃんとした方がいいと思うんですよ。

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パネルディスカッションの内容をまとめた「グラフィックレコーディング」

 

川田:浮かれた場所が都市の中心にはないんですよね。浮かれた場所がないと、子供を作ろうと言うことにもならない。

ちょっと違う話になるんですが、ピロティーって気になっていて。建築用語で調べると、踊り場ということ。昔はそういう場所があったのに、いまは効率化で余白がないんですよ。それは悲しいなと。あと「シムシティ」ってやったことあります?ウィル・ライトさんが作った、都市のシミュレーションゲームですが、あの人は1個だけメッセージを入れていて。都市が発展すればいいんですけど、そのあとストレスを感じて減っていっちゃう。そのときに何をしたらいいかというと、公園を作るんですよ。公園を作ると住民たちの気が和らいで発展していくんですね。これはゲームの中に込められたメッセージですけど、そういうものを場所とか、アート作品とか、サービスとかに込められるメッセージはあるはずなので、いまは浮かれているものを助長してくれたらいいんだと思うんですけどね。

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軽妙な語り口でパネルディスカッションは進む

 

夏野:いまの少子化の問題というのは、主には経済問題なんですよね。ここに来ている人は世界の中でも恵まれている人たちだと思うんですが。未だに20代の失業率が50代よりも高いし、何より資産格差が大きすぎると思っていて。20代~30代前半の人なんて資産持ってないですよね。でも皆さんの親の世代というのは、すごい資産を持っている人が結構いて。もう少し経つと分かると思うんですが、仕事がばんばんできる人よりも、親が資産を持っている人の方が豊かな生活を送っているというのを間近に見ることになるんですよ。もっと平均化すると、子を産む世代に金が回ってないので。子供がほしいという人は絶対いるんですよ。特に女の人はそう。でも子育てが、時間的にも経済的にも自由度を奪うものなのであれば、やっぱり仕事を選択しようと思うわけですよ。

ちなみにフランスでは3人子供を産んだら、その子供たちが18になるまでは悠々自適な生活を送れるんですよ。3000万くらいもらえる。その上キャリアビルディングできますからね。

猪子:でもいまの国では老人が多いから、考え方があまり変わらないんですよ。若い人も。

夏野:でもしっかりと制度を作ればいいんですよ。エコノミックモデルができれば動くんです。政策的にはエコノミクスってとっても大事なんですけど、日本の政策の中でビジネスモデルとかエコノミクスが軽視されすぎている。単に雰囲気で流されるという傾向が強いので、いまこんなことになってると思うんですけど、スタティスティクスとエコノミクスで政策の8割は解決できると思うんですよ。それを感情論に持って行く方が票を取れるというのが最大の問題ですよね。

――最後に一言ずつお願いします

猪子:製造業はもういいんじゃない(笑)

川田:私はミシンメーカーに10年いたんですね。ミシンの縫う技術をアップデートして、遠くの技術者の経験をアップロードしてダウンロードする仕組みの特許を取ったんです。ミシンでネットと融合してというアイディアを持っていました。33歳までメーカーにいてそのあとAR三兄弟を立ち上げるんですが。僕は失望してないんです。ようやくマイクが向いてきたかなという感じがしていて。

ただしマイクが向いてきたからと言って、誰かがやってきたことをやってもだめだと思うんです。アップデータブルな未来とか社会とか都市に使ってもらえるのは何かということを考えなければいけないと思うんですよ。何を人が考えて、何を道具としてアップデートしていくのがいいのかを考えなければいけない。老若男女問わずテクノロジーと接する機会を増やした方がいいと思っています。

夏野:25歳だったらこの5年どう生きるか……。キャリア形成とかキャリアプランって、人材会社にだまされているだけだと思っているんですよね。そんなの分かるわけねぇじゃんという(笑)。明日会社がつぶれるかもしれないし。

結論は何かというと、世の中は9割の現状を維持したい人と、1割の新しいことやって何か変えたいというという人がいて。ここに来ている人はなんか変えたいと思っている1割の人たちだと思うんですが、ぼくが25歳に戻れるんだったら、9割に入りたい(笑)。すごく疲れるんですよ。すぐ炎上するし、リスクも高いし。会社もつぶれるし。9割の、いまの日本ってすごいんだよ、これでいいんだよ日本はという、すべて肯定してすべて守って、その守る側の頂点にいて、守り倒して、俺が死ぬときはまだ大丈夫みたいな逃げ切りの人生を生きたい(笑)。

■若い起業家からのメッセージ
続いて「Leader of Tomorrow」というプログラムに移る。登壇したのは若手の起業家として名をはせている石田言行氏だ。石田氏は2013年に中央大学商学部3年生の時にtrippieceを立ち上げた。

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trippiece代表取締役 石田言行氏

石田氏は卒業時には大手広告代理店から内定をもらっていたとのこと。そこで事業を継続するか、いい企業と呼ばれる会社に就職するかの2択に迫られた。しかし起業の道を選んだ。それはただそっちの方が面白そうだったから。そっちの方がわくわくするから。

「先ほど制度について話していた方もいましたが、何かの縛りについてはすごく反発心を持つんですね。いい学校に入っていい企業に勤めるという、一般常識があまり好きではなかった」(石田氏)。

中学校の頃では、堀江貴文氏がすごく好きだったそうだ。「既得権益に対して戦っているようなイメージを持てて大変好きだった」(石田氏)。石田氏自身はいじめられっ子で、そんな自分を変えたいと思っていた。中3の時に学校の裏サイトが流行っていて、それを作らされることになった。掲示板を作ったのだがアフィリエイトを張っていて、数十円、数百円しか入ってこなかったが、自分が初めて得たお金に興奮したという。その後高校ではバンドをやっていたので、他校のバンドを集めたイベント企画に携わることになる。すると1回5万円ほど儲かった。大学に入ってからは、意味のあることをしようと思って起業に向かうことになる。

次の夢は何かと聞かれると、石田氏は潜水艦を作ること。宇宙に行きたいか海底に行きたいかでいうと、石田氏は海底に行きたいそうだ。宇宙は無機質なものが広がっているばかりだが、海底は生物がいるし、まだ分からないことも多い。自分自身も海が好きだということもあると語るが、インターネットなどでデモンストレーションを行うこともできるだろう。どこまでチャレンジできるのかを楽しみにしているそうだ。

また夢を言葉にすることで、覚悟が生まれる、と石田氏。とりあえず口にするのは重要で、言えば言うほど覚悟ができてくるものであると。好きなことの場合はどれだけ言い訳を並べたとしても逃げられない。自分の軸をしっかりと立てて続けてきたからこそ、この4年間ビジネスを続けてこられたと石田氏は語る。

「誰もがしたことのない体験をやりたいと思っている。あとはそれを正解にできるかどうかは自分次第。起業家としてゼロから1を作るという生き方もある」(石田氏)

■Professional Sessionではチームごとのブレストも
このほか「Professional Session」として、来場者7人~8人に分かれて「2020年」をテーマに検討会が開かれた。最初にプレゼンテーションシートを各自で作り、それをグループ内でミーティング。その中から優秀者を決めるというものだ。非常に時間の短い中、来場者は真剣に取り組んでいた。

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まずは個人でプレゼンテーションシートを作成

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シートを元に発表をする

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熱い討論を繰り広げるチームも

以上、これからの日本におけるビジネスの進むべき方向性、そして本イベントに参加した若者たちは、今後、何をどうしたらいいのかということで、“何かしら”の気付きがあっただろうと思う。非常に内容の濃いイベントであった。

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