世界から見た大相撲問題の本当の「異常さ」

ITmedia ビジネスオンライン / 2017年12月7日 7時50分

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大相撲の暴行事件騒動が、まだくすぶっている

 大相撲の暴行事件騒動が、まだくすぶっている。

 これまで、暴行事件が起きた夜に実際何が起きたのかについてさまざまな話が報じられてきたこの問題。11月30日に日本相撲協会から中間報告が出されたことで、話は相撲協会と貴乃花親方の対立に移っているようだ。そんな中でも、九州での冬巡業は厳戒態勢の中で続いている。

 筆者は最近、日本を訪問していた知人のカナダ人ジャーナリストと会った。大手メディアで記事を書いているこのジャーナリストとの会話の中で、日本のメディアで連日報じられている相撲の話になった。その中で彼の返すコメントは、興味深いものだった。

 この知人は日本独特の文化として相撲に興味を持っているものの、実は相撲そのものについてはほとんど知らない。ただ逆に、詳しく知らないからこそ、このジャーナリストの反応はストレートで考えさせられるものだった。相撲に何ら思い入れのない外国人からの意見を聞いていると、現在の騒動を俯瞰(ふかん)して客観的に見る手助けになる。

 そして、日本相撲協会の中間報告などで詳細が明らかになってきた今、今回の騒動で出てきた話の中にはやはりいくつか「異常」なものがあることに改めて気が付いた。

 筆者はまずこの知人に、できる限り簡潔に今回の騒動について、ことの顛末(てんまつ)を説明した。相撲の簡単な説明や、さらに最近まで横綱は4人中3人がモンゴル出身力士だったこと(ひとりはすでに引退を発表)、また、日本人の横綱は2000年から17年1月まで1人としていなかったこと。過去には暴行事件や八百長事件が問題になったこと、などだ。

 そして今回の騒動についても、秋巡業の鳥取場所に訪れていた横綱3人を含むモンゴル人力士など少なくとも5人が、大会前日に一緒にラウンジの個室で酒を飲んでいて、暴行事件になったことを説明した。

●大相撲、外国人には「Fixed」に映る

 すると、それまで相槌を打ちながら聞いていた知人は、力士たちが一緒に酒を飲んでいたとの話の部分で「それは相撲の世界ではオッケーなのか?」と聞いた。

 そう、その問いこそが「異常さ」のひとつなのだ。

 これから戦う者同士が、試合の前日に一緒に過ごしているというのは、このジャーナリストに違和感を覚えさせたのである。さらに会話が進むと、「相撲は“Fixed”(不正に仕組まれている)だと言われても文句は言えないな」と、知人は言った。

 客観的に見ると、個人戦の相撲で対戦するはずの仲間同士が仲良くしていると、取り組みに関しても“助け合っている”可能性を指摘する声が出るのはもっともである。相撲を愛する人たちにしてみれば「普段一緒に飲んでいても、星を“助け合う”なんてことはあり得ない」と言いたいかもしれないが、相撲を贔屓目(ひいきめ)に見ない「外部」にはそれは通らない。

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