人気者になるために、フォロワー購入はズルいことなのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2018年2月15日 8時4分

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「いいね」を売る業者の実態は?

 2018年1月27日、米ニューヨーク・タイムズ紙が興味深い長編記事を掲載した。

 そのタイトルは、「フォロワー工場」で、サブタイトルは「みんなネット上で人気者になりたい。だからそのためにカネを払う。ソーシャルメディアのブラックマーケットの内側とは」となっている。

 この記事では、数多くの米国の著名人が、「Devumi(デヴミ)」というソーシャルメディアのマーケティング会社からTwitterのフォロワーなどを購入していることが内部資料から明らかにされた。

 近年、米国でこの手の記事が散見される。ソーシャルメディアなどインターネット上のサービスが多額を生み出すビジネスとなっている今、改めて、偽フォロワーなどソーシャルメディアの“不正行為”が注目されているのである。

 筆者も最近、中東に暮らす知人から、ちょうど「いいね」サービスの裏側について話を聞いたばかりだった。そんなことから、ソーシャルメディアのこうしたズルい行為がなぜ問題視されるべきなのか探ってみたい。実はこうした行為は決して看過できないものなのである。

●フォロワーを買っていたのは20万人以上

 今、ネット上では、Twitterなどの購入は日常的に行われている。例えば「twitter follower buy」と英語で検索をかけると、いくつものサービスが検索のトップに広告として現れる。

 ニューヨーク・タイムズの記事を見るまでもなく、以前より、そんなサービスに需要と供給があるのは知られている。だが今回の記事で特筆すべきは、Devumiという企業が、実在する人物の写真やプロフィールを“盗み”、名前を一文字違いにするなどして、あたかも実在する人物がフォローしているかのように見せていた、といった手口だった。他人のTwitterのプロフィールを盗むなどして作られたフェイクのアカウントが使われ、多くのアカウントはボット化(自動化)され、同社はフォロワーや「いいね」を売っていた。

 フォロワーを買っていたと暴露された人の数は20万人以上にも上る。その長いリストには、リアリティ番組の出演者やコメディアン、プロのアスリートや牧師もいた。さらに作家やジャーナリスト、そして驚くことに、Twitter社の女性取締役もフォロワーを購入していた。大手テック企業の創業者も購入者だった。

 中国の国営通信社である新華社通信も、Devumiから数十万のフォロワーとリツイートを購入していた。ちなみに中国ではTwitterは禁じられているため、国外で投稿を拡散させたり、国外での支持を多く見せるために、世界に向けたプロパガンダの一環としてフォロワーやリツイートを水増ししていていたことになる。

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