食べログとぐるなび、明暗が分かれた業績

ITmedia ビジネスオンライン / 2018年5月16日 18時48分

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ぐるなびの飲食店支援事業(出所:ぐるなび公式Webサイト)

 ぐるなびと食べログを運営するカカクコムの2018年3月期決算が出そろった。決算資料によると、「ぐるなび」は大きく苦戦し、「食べログ」は好調だった。

 なぜ、国内を代表するグルメサイトであるぐるなびと食べログは業績面で明暗が分かれたのだろうか。

●人手不足と販促手段の多様化

 ぐるなびの連結決算における売上高は前期比2%減の362億円だったが、営業利益は29.6%減の47億円にまで落ち込んだ。さらに、当期純利益に至っては33.5%減の32億円と大幅な減益となった。同社は19年3月期の連結業績予想についても大幅な減益を見込んでいる。

 なぜ、ここまでぐるなびは苦戦したのだろうか。

 ぐるなびの売上高の9割を占めるのは「飲食店販促サービス」だ。これは飲食店がぐるなびに対して支払う販促費用で、「ぐるなび上の『忘年会特集』の枠に店舗情報を掲載する」「ユーザー会員に向けて情報提供する」といったものが該当する。この飲食店販促サービスの売上高が大きく減少した。

 飲食店販促サービスが落ち込んだ背景は、飲食店の人手不足により販促費が抑制されたことや、競合となる販促・告知方法が広がったことだと同社は分析する。無料で企業や店舗のPRができる「Googleマイビジネス」や、SNSなどを利用した販促手段が広まった。

 これらの挽回策としてぐるなびの広報担当者は「当社には店舗運営を直接支援する1000人のスタッフがいる。飲食店に対してソリューションを提供していきたい」とコメントした。

●食べログはなぜ好調?

 ぐるなびと対照的に業績が好調だったのがカカクコムの食べログ事業だ。18年3月期の売上高に相当する売上収益は前年同期比8.3%増の201億円だった。同社は19年3月期にも10%台の成長を見込んでいる。食べログ事業の営業利益は非開示だが「増加を見込んでいる」(カカクコム広報担当者)。

 食べログ事業における売り上げの柱は飲食店向けの販促サービスで、ネット予約に応じた手数料やゴールデンタイムにおける露出強化の費用といったものが該当する。1店舗当たりの四半期平均単価(ARPU)は2万5000円と対前年比で約4000円増加した。

 業績が好調な理由についてカカクコムの広報担当者は「食べログの集客力と、ネット予約サービスの拡充により集客のさらなる強化が期待できる点などが評価されている」と説明する。ぐるなびの月間ユニークユーザー数(UU)は6500万人(17年12月時点)、食べログは1億4291万人(18年3月時点)だ。なお、食べログのUUはPCとスマホで重複しているが、PCが2376万人、スマホが1億1901万人なので、すべて重複したとしても、食べログがぐるなびを上回っている。

 両社の明暗を分けたものは何だろうか。飲食店が人手不足により販促費を削っていることや、競合となる販促手法が広がっていることが業績にマイナスの影響を与えているのは両社に共通している。カカクコムの広報担当者が説明するように、サイト集客力の差が影響したのだろう。飲食店はより販促効果が高いメディアをシビアに選んでおり、集客力は最も分かりやすい指標だからだ。

 19年3月期も先行きが不透明なぐるなびだが、挽回策に期待したい。

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