離職率28%だったサイボウズは、どうやってブラック企業から生まれ変わったのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2018年10月22日 6時46分

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サイボウズ社内の様子

 「生産性の前に働く人の幸せ」の考えをベースに、第2回では、「やってみよう」因子を刺激し、チームで新たな価値を「生む」ことに触れました。

 そんなことを言うけれど、あなたは実践できているのか? そう思う読者の方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、なぜ「生産性の前に働く人の幸せ」という考えに至ったのかを、私が勤めるサイボウズの事例をもとに紹介します。

 今から13年前(2005年)のサイボウズは、創業して8年目、社員が83人という、いわゆるベンチャー企業でした。ただしその年、社員23人が退社し、離職率が28%となりました。どんどん社員は辞めていくが、業務は山のようにあり、休日出勤も常態化しているといった、いわゆるブラックな労働環境にありました。

 それが最近では、働き方改革といった視点で海外からも注目をいただく会社になりました。あまりの変わりようなので、当然ながらこの話をすると、どうやってブラック企業からホワイト企業になったのですか、という質問を多くいただきます。

 振り返れば、私たちは「働き方改革をしよう!」とか、「生産性を上げよう!」と言ったことは一度もありません。結論を先に言えば、社員一人一人がどうすれば働きやすいかということを考え続け、その後の13年間、さまざまな取り組みを続けてきた結果として現在があるだけです。

●オンラインでの情報共有量の膨大さ

 サイボウズに中途入社された方が必ず驚くことの1つに、「オンラインでの情報共有の密度」があります。社内では、社長のみが知っている情報はほとんどなく、全社員にあらゆる情報が公開されています。

 会議の議事録や営業の案件管理、部活動の報告、近隣のお得情報や社員のつぶやき、イベントの実況中継……など、仕事に関係あることからないことまで、ありとあらゆる情報がオンライン上で交わされており、コメントや「いいね!」を付け合って活発にやり取りをしています。例えるなら、まさにTwitterのタイムライン状態。社員には常に何かしらの通知が来ています。すべて見ることはほぼ不可能ですが……。

 一般的な会社では、入社してからその会社の風土や文化を知るまでに、半年~1年ほど時間がかかると思います。周りの同僚と少しずつ仲良くなって情報収集していき、社内でのやり取りなどを知っていく流れがほとんどでしょう。しかしサイボウズの場合は、オンライン上のやり取りを読んでいるだけで、「この会社ではこういうことが重視されるのか」とか「こういうケースはこんな結論になるのか」といったことが分かるので、1カ月もいれば会社の特徴がだいたい分かります。グループウェアが高速で風土や文化を学習する装置となっているのです。

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