東映、ピエール瀧出演「麻雀放浪記2020」ノーカットで公開へ 「作品無罪」で自粛ムードに屈さず

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年3月20日 11時14分

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東映の多田憲之社長(=左)、作品を手掛けた白石和彌監督(=右)

 東映は3月20日、麻薬取締法違反(コカイン摂取)の疑いで12日に逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧こと瀧正則氏が出演する映画「麻雀放浪記2020」を予定通り4月5日に公開すると発表した。同氏の出演シーンのカットなども行わない。

 逮捕の報を受け、同社は製作委員会など関係各所と協議。公開の中止や延期も検討したというが、「ファンのためにならない」「作品に罪はない」という観点から公開を決めたという。

 同日開いた会見に登壇した、東映の多田憲之社長は「容疑が事実であれば決して許されることではないが、あってはならない罪を犯した出演者のために、作品を待ちわびているお客さまへの公開をやめることはしない。配給担当である弊社の判断で予定通り公開する」と明言した。

 同作品を配給予定の劇場は計51カ所で、「逮捕後も特に(断りの)連絡は来ていない」(多田社長)という。予定通り公開する旨はこれから各劇場に伝え、「どういうリアクションがあるか(注視したい)」(同)という。

●ポスター・テロップで逮捕の旨を説明

 公開に当たっては、劇場内などに掲示するポスターや作品内のテロップなどで「逮捕されたピエール瀧容疑者が出演しています」などと明示し、鑑賞するか否かを観客の判断に委ねる予定。告知用のポスター制作は今後進めるという。

 同社の紀伊宗之プロデューサーは「現在はピエール瀧氏への損害賠償を検討しており、一部で話を進めている」と説明。「(作品が)不愉快であれば、前売り券などを購入済みの顧客への払い戻しなども行っていく」という。

●白石監督「ホッとしている」

 「麻雀放浪記2020」では、戦後の日本を描いたシーンで、登場人物が依存性のある薬物「ヒロポン」(メタンフェタミン)を使用するシーンが存在。演じるのはピエール瀧氏ではないものの、今回の事件を想起させる恐れがある点は否めないが、これもカットしない。

 同作品の白石和彌監督は「作品を編集したり、再撮影したりすることも考えたが、作品に罪はない。僕がベストだと思っている完全な形で公開することが決まってホッとしている」と心境を語った。

●薬物使用の兆候分からず

 白石監督は2013年公開の「凶悪」など計5本の映画でピエール瀧氏を起用。同氏には「自分を監督として引き上げてくれた人。男っぷりの良さにほれていた」といい、「20代のころから薬物を使用していると報道されていたが。仕事中はそういう兆候は分からなかった」としている。

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