セブンティーンアイスが大躍進 34年で激変した自販機の“設置戦略”

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年5月24日 5時5分

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設置台数を増やしてきた17アイスの自販機

 アイスクリーム自動販売機市場で江崎グリコの「セブンティーンアイス」(以下、17アイス)が躍進している。1985年からボウリング場やホームセンターに自販機を設置して成長してきたが、10年後には頭打ちの状態となった。しかし、新たな置き場所を開拓することで、2018年度には設置台数が2万台強と過去最高を記録した。また、高価格帯の商品がヒットしたことで、1台当たりの売り上げもアップしている。

 アイスクリームを自販機で売るという独特なビジネスモデルはどのように生まれ、成長してきたのだろうか。マーケティング担当者に話を聞いたところ、“独特すぎる”販売戦略が浮かび上がってきた。

●自販機は無償で置かせてもらっている

 17アイスは自販機のみで購入できるオリジナル商品だ。発売当初はショーケースで販売していたが、ほとんど売れなかった。そこで、85年から自販機で提供するスタイルに切り替えた。グリコのキャラメルを自販機で売っていたので、そのノウハウを生かしたのだ。

 商品名には「17歳の女性がメインターゲット」「豊富なバラエティ(17種のアイス)」という意味が込められている。当時、アイスには「子どもっぽい」というイメージが強かったので、おしゃれさをアピールすることで、顧客層を拡大する意図もあった。

 基本的なビジネスモデルはこうだ。自販機は無償で設置させてもらう。電気代は設置先が支払うが、メンテナンス費は江崎グリコが負担することが多い。商品は卸を通して各自販機に補充され、売り上げの一部を設置先が受け取る。江崎グリコの営業担当者は、施設を訪問して回り「17アイスの自販機を置きませんか?」と提案する。売り上げが落ちてきたら、設置先と協議したうえで自販機を撤去している。

●設置場所によってアイスの種類と価格が違う

 17アイスのフレーバーは全22種類だ。自販機では17種類しか販売できないため、設置先の客層や季節によって品ぞろえを変えている。例えば、子どもが多く集まる場所ではシャーベットタイプの品ぞろえを増やしているだけでなく、ボタンが押しやすいように自販機の下部に商品を配置している。また、シニアが多く利用する温浴施設では、モナカタイプのアイスを置いている。

 自販機の価格を決めるのは設置先だ。江崎グリコの推奨売価に基づくが、場所によって同じ商品が50円~60円の売価差で売られていることもある。

 担当者によると、学校や職場といったもうけを重視しない場所では低い価格になり、付近にお店がないような観光地では高い価格になる傾向があるという。

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