松戸市にあるパン屋で、なぜお客は1800円も使うのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年9月11日 8時15分

 店をオープンした当初はいまほど売れていなかったので、「焼きたて」をなかなか出すことができませんでした。ただ、しばらくすると、「焼きたてをつくる→売れる→焼きたてをつくる→売れる」といった感じで、いいサイクルが生まれるようになりました。

土肥: 例えば、カレーパンの場合、どのようなサイクルでつくっていたのですか?

伊原: オープン当初、1日30個ほどしか売れていなかったので、朝・昼・夕の3回にわけてつくっていました。朝の9時に商品を出したところ、揚げたてのカレーパンを食べたいお客さんがたくさん来る。10時ころに来たお客さんから「カレーパンはないですか?」と聞かれる。しかし、完売していて、棚に商品が並んでいない。

 じゃあ、10時に「揚げたて」をつくれば、もっと売れるのではないかと考え、10時につくることに。このように1日に何度も揚げたてを出すことによって、「いつ行ってもあそこのパン屋で、揚げたてのカレーパンを買えることができる」と感じてもらえるようになりますよね。

土肥: カレーパンだけでなく、他のパンも同じように「焼きたて」をせっせと提供していたわけですね。

伊原: はい。

●生産性が落ちても、お客さんのことを考える

伊原: オープン当初、店内にフライヤーがなくて、調理用のボールを使ってカレーパンをつくっていました。だんだん売れるようになって、フライヤーを導入しました。そのフライヤーは一度に12個つくることができるのですが、店で10個しか売れなければどうするのか。店のスタッフは怠ける気がなくても、ついつい12個つくろうとしますよね。目の前で12個つくれるんだから。そうなると、どうしても余ってしまうので、揚げたてのカレーパンを提供できなくなるケースが出てきました。

 このままではいけないということで、フライヤーを捨てたんですよ。再び、店内にボールを持ち込んで、それでつくることに。フライヤーは一度に12個つくれるけれども、ボールは6個だけ。半分しかつくることができないので、揚げる回数は倍になる。生産性は落ちてしまいましたが、それでもお客さんのことを考えて、ボールで揚げることにしました。

土肥: 揚げたてか、揚げたてでないか、どちらがおいしいか。間違いなく、揚げたてですよね。天ぷら屋さんで、冷めたエビフライが出てきたら、クレームを言いたくなるほど、揚げたては大事。

伊原: 生産性は落ちたものの、その後、お客さんが増えていき、フライヤーを再び導入することに。結果、いまでは1日に700個ほど売れるにようになりました。

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