岐路に立たされた東京モーターショー

ITmedia ビジネスオンライン / 2019年9月17日 8時45分

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2019年の東京モーターショーコンセプトは「OPEN FUTURE」

 今年は東京モーターショー(TMS)の開催年である。回を重ねること46回。伝統ある自動車ショーだ。ひとまずは開催スケジュールから書いておこう。

 障がい者手帳を持つ人に向けた特別招待日は、10月24日(木)から。芋洗いを避けたい人のために設定された、人数限定のプレビューデー(入場料3800円)が25日(金)9:00〜14:00。同日の14:00以降、11月4日まで一般公開日(2000円)となっている。また16:00以降1000円のアフター4入場券などもある。詳しくはオフィシャルサイトで確認して欲しい。

●東京モーターショーのあるべき姿

 さて、筆者はTMSについて厳しい記事ばかりを書いてきた(記事「東京は上海に勝てるのか?」、記事「東京モーターショーで見ても無駄なクルマは?」参照)。

 「夢のあるクルマを見たい」という人は多いが、夢もほどほどにしないとただの嘘になってしまう。例えば最近ちょくちょく空飛ぶクルマのニュースが出回るが、あれが東京の空を飛ぶことが、本当に社会に受け入れられるかどうかを考えれば、あまりにも遠い未来の話だと分かるだろう。可能性はゼロではないかもしれないが、今から期待して待つには遠すぎる。

 航路が厳しく制限されて、海や原野の上しか飛ばないのなら可能性があるかもしれないが、それではパーソナルモビリティが空を飛ぶことの利便性が失われる。道にとらわれることなく、山も川も無視して一直線に目的地を目指したいから空を飛ぶのだ。

 しかし自宅や会社にそれが落ちてくる可能性を考えたら、飛行プランの届出も無しに自由にどこでも飛べる未来が実現するかどうかは、大人の良識で想像できるはず。SF映画ではないのだ。

 自動車という製品はすこぶる社会的存在であり、さまざまな面で人の命を奪い、健康を損なう可能性がある。だからこそZEV規制やCAFE規制などの環境規制、衝突安全規制など多くの規制があり、それらに適合できない製品は世に出ることはない。そうした現実のルールを無視したショーカーは、「最高時速マッハ3。核融合炉を搭載したゼロエミッションカー」みたいな話と同じで、現状ただのフィクションに過ぎない。

 成熟した国のモーターショーでは、地球と人類の未来のために、社会が取り決めたルールを守りつつ、10年先にわれわれが買えるクルマを提示するべきだ。そういうことを書いてきた。百歩譲って、従来のやり方で結果が出ているなら現状維持も検討に値するが、肝心の結果の方はなかなかにひどい。

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