仮想通貨とデジタル通貨

ITmedia ビジネスオンライン / 2020年2月6日 16時23分

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仮想通貨の価格推移(ドル建て、2018年2月を100とする)

 最初に、3つのジャンルを知っておこう。

1:仮想通貨

 ビットコインに代表される。これは、法定通貨または法定通貨建ての資産ではないので、通貨ではない。どこかの政府や中央銀行の裏づけはなく、米ドルなどとの換算レートは、一般の通貨のように交換業者が存在するものの、政府や中央銀行の権威で交換を保証されているものではない。「通貨」と呼ぶと本当の通貨と区別しにくいので、法的には“暗号資産”と呼ばれるようになった。

2:デジタル通貨

 今年、日銀やECB(欧州中央銀行)など6中銀が共同研究に着手。政府が国家としての裏づけを持って発行するデジタル環境の通貨で、例えば、いつでも要求すれば日銀(あるいは市中銀行)が1万円と交換してくれるデジタルの1万円がスマートフォンの中に入っていれば、デジタル通貨と考える。仮に、将来紙幣がなくなったとしても、国や中央銀行が発行と総量を決めるという意味で(仮に米ドルや円などと呼ばなくなったとしても)通貨であり、国・中央銀行が流通を保証する。

3:リブラ

 フェイスブックが発行計画している。詳細はまだ不明だが、これまでの発表では、法定通貨を裏づけとしているので、デジタル通貨に含まれると考えられる。適切なバランスで米ドルやユーロなどを資金流入分だけ資産として持つのであれば、これが拡大して為替安定要因になる可能性がある(通貨別のアロケーションが安定している場合)。

 交通系電子マネーなども法定通貨(例えばJR東日本のスイカなら日本円)に依存するが、いったんチャージすると通常は簡単にもとの通貨に戻せない(片方向)ので、通常はデジタル通貨に含まない。リブラは送金や決済に利用できるように設計するとしているので、デジタル通貨とみなすことができるが、実際にごく一部の商品などにしか使えない場合は、電子マネーとなってしまう。

 逆に通常の通貨同様に送金ができる場合は、マネーロンダリングなどの恐れがあり、これまでの銀行システムの監督と同様の監視・指導などが必要になる、ともいわれる。

●投資対象としての仮想通貨は金投資と似ている(通貨ではない)

 ビットコインなどの仮想通貨は投資対象として考えてよいだろうか。各仮想通貨はそれぞれ性格が異なるので一言では言いにくいが、ビットコインへの投資は金投資と似ている。

 まず、ビットコインは、マイニングという労働(ブロックチェーンにおける取引認証のためのコンピューター資源を利用)を行う対価として価値を持たせた暗号資産を配布した。アダム・スミスやマルクスなどの時代に経済の基本と考えられた労働価値説(今となっては労働で商品価値が決まるという説はあまり採用されない)に近い考え方で、価値を感じさせるというアイデアが人気を博した。しかも、掘り出す総量があらかじめ決められており、ある時点から生み出されないことがわかっている。それが希少性を感じさせ、もうひとつの価値の源泉と考えられた。

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