ワークマン土屋哲雄専務に聞く 「4000億円の空白市場」をいかにして切り開いたのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2021年1月14日 17時28分

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インタビューに応じたワークマンの土屋哲雄専務取締役

 ソフトバンクグループの孫正義氏に「4000億円のホワイトマーケットをよく見つけた」と、ユニクロの柳井正氏に「新しい市場を作った」と言わせた企業がある。作業服の業界で40年間トップを走るワークマンだ。「過酷ファッションショー」など独自の取り組みのほか、10年連続で増収、最高益を更新し、コロナ禍の中でも勢いを増している。

 2020年は緊急事態宣言が出された4月でさえ既存店売上高は前年を上回り、5月以降は常に二桁の成長(最大は6月の37.2%)を実現。11月の既存店売上高は38カ月連続で増えている。

 ITmedia ビジネスオンラインは、同社の土屋哲雄専務取締役にインタビューを敢行。いかにして4000億円という市場を発見するに至ったのかを聞いた。

●孫正義「空白市場をよく見つけた」

――三井物産で30年以上勤務した土屋専務は還暦直前に、(創業者で叔父の)土屋嘉雄会長に声を掛けられる形でワークマンに入社しました。当初は会長から開口一番「この会社では何もしなくていい」と言われたそうですが、入社後は何を考えてどんな取り組みをしたのですか?

 土屋会長から声がかかったのは2012年でした。当時のワークマンは30年以上、2位の会社に大差をつけ作業服のシェア1位に君臨していました。私はそれまで三井物産で多様なビジネスを経験していましたから、そこで培った経験を生かそうと思い、まずは社員のヒアリングを通じてワークマンの強みを見つけだそうと思いました。

  そこで掲げた方針が「法人契約は狙わない」「粗利益が高い製品を扱わない」「一番儲(もう)かる製品はチラシに載せない」「値引きをしない」といった「しない経営」です。

 一方でワークマンの成長の限界も見えていました。入社当初のペースで加盟店が増えたとしても2025年には1000店舗になります。そうすると売り上げは1000億円が限界です。

 企業文化にも閉塞感がありました。何十年も同じことをしてきたせいか、社員たちは危機感を覚えながらも変わらずにいました。そこで、新たな市場を開拓しようと考えました。

――のちにソフトバンクグループの孫正義氏が「4000億円のホワイトマーケットをよく見つけた」と言っていたそうですが、いかにしてその市場を見つけたのですか?

 まず自分たちがビジネスをする市場から近い市場を狙いました。それがアウトドアの市場です。ただその市場にはすでに強い競合がいたし、ワークマンにはそもそもアウトドアのイメージがありませんでした。

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