5秒で身体をスキャン、ぴったり下着提案 ワコールがすごすぎるデジタル店舗を作る理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2021年4月8日 7時5分

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下山廣氏(執行役員、イノベーション戦略室長)と、篠塚厚子氏(イノベーション戦略室、開発部長/シニアフェロー)

 “下着選び”に、デジタルトランスフォーメーション(DX)が起きている。

 インナーウェア大手のワコールは、3Dボディースキャナーにより利用者の体形を計測するサービスを提供している。着替えを除いた、実際の計測時間は約5秒。スキャニングが終了すると、目の前の画面には自分の体形をトレースした3Dモデルが映し出される。女性が下着を選ぶのに欠かせないトップバスト、アンダーバストやウエストのサイズの他、首回り、背肩幅、腕の長さ、二の腕・太もも・ふくらはぎの周径、股下高……といった衣服全般を選ぶ参考となるサイズを計測できる。

 この「3D smart & try」や、そのデータをもとにアバターを通してリモート接客で下着選びのカウンセリングをするサービス「アバカウンセリング パルレ」(以下、パルレ)はとても人気で、設置店舗では常に予約が埋まっている状態だ。ワコールは2019年4月のサービス開始以降、21年3月末までで既に約4万7000人の身体データを測定、収集してきた。

 ワコールがこのような顧客との接点のデジタル化に乗り出した背景には、「新時代に乗り遅れてしまった」という危機感と、その見直しによって生まれたオムニチャネル化への構想があるという。

 店舗DXに取り組む理由や、目指す顧客体験のゴールについて、3D smart&try事業を担当する下山廣氏(執行役員、イノベーション戦略室長)と、篠塚厚子氏(イノベーション戦略室、開発部長/シニアフェロー)に話を聞いた。

●一人一人との直接的なつながりを重視した店舗づくりを展開

 ワコールでは以前から、顧客のストレスを減らす方法を探っていた。下着のフィッティングにより自分にマッチしたものが手に入ることに喜びを感じる人がいる一方で、試着の際に体を触ることや、採寸でのヒアリングにストレスを感じている顧客が一定数いることを意識していたからだ。

 その問題の解決を目指して開発したのが「3D smart & try」だ。測定方法には、同社が1946年の創業以来、長年女性の体について研究してきたノウハウを詰め込んでいる。

 これまで他企業も3Dスキャナーを取り入れてきたが、正確な測定が難しく苦戦を強いられ、なかなか浸透してこなかった。その理由は、測定距離だけに注目していると正確なデータを計測できないからだという。

 ワコールでは、下着や洋服は動きを持つ身体を「包む」ものだと考えて測定している。測定で重要なのは、容積だという。

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