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糸井重里×孫泰蔵「会議のために生まれてきたんじゃない」 若手経営者時代の葛藤

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月25日 22時20分

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孫泰蔵さんと、ほぼ日の糸井重里社長

 世界中を飛び回りながら、スタートアップを支援する孫泰蔵氏が、2023年11月に開催された「ほぼ日」の株主ミーティングにゲストとして参加した。

 前編記事【孫泰蔵がシリコンバレーで見た自動運転車の未来 「移動にお金を払う時代」は終わる】では、孫氏が講演で語ったAIスタートアップの現状についてお伝えした。今回は、「ほぼ日」の社長を務める糸井重里氏と孫氏が対談。40代からの生き方や、有望なスタートアップを見分けるポイントなどを語り合った。

●「会議をするために生まれてきたんじゃない」

糸井: 孫さんご自身が激しいビジネスエリートだった時代から、『冒険の書 AI時代のアンラーニング』(日経BP)を書くに至るまで、ひっくり返った主な原因というのは。

孫: それはありました。はっきりと。40歳になったときに、おじさんになったというショックがあったんですよ。昔は40歳というと、おじさんというか、大人みたいな感じがありました。それまでインターネットで起業してきて楽しかったのですが、自分がその歳になったときに「何をしているんだろう」と思いました。カレンダーを見ると、朝から晩まで役員会議、経営会議、連絡会議、戦略会議と会議ばかりで、夜も会食が入っている。俺は会議をするために生まれてきたんじゃないぞって。

2人: (笑)

孫: いつもプレッシャーに感じて、苦しくて、それでも責任感のために一生懸命やっているものの、あまりにも自分の楽しさを犠牲にしていないかと思いました。やはり体の調子も悪くなるんですよね。ずっと下痢をしているみたいな感じだったので、お医者さんに行ったらストレス性の下痢だと言われました。

糸井: 体に出ちゃったわけですね。

孫: それで5、6年かけてしれっと辞めていきました。いきなり辞めるのは無責任だったので、5~6年かかりました。私も上場会社の社長をやっていて、こういう株主総会にも出ていました。ここは素晴らしい雰囲気ですけど、私の時は『配当上げろ』とか、野次が飛ぶような株主総会でした。何年もかけて新しい人に引き継ぎながら降りていったのが40代でした。

糸井: もともと好きでやれることを増やしていき、やりたいから増やしていったわけだし、やれるようになるからもっと増やせるし。そういう意味では歳をとるほど疲れる側に進んでいくわけですね。それが大病をせずに気付けて、段階を踏んで、違う形になれたことは素晴らしい幸運ですね。

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