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IT駆使し業界に新風 不動産マッチング「楽待」運営会社トップに聞く

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月25日 15時39分

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YouTubeチャンネル「楽待 RAKUMACHI」のトップページ

 家を買ってアパート経営をしたり、マンションを投資用に購入して老後の安定を目指したりするなど、小金持ちから富裕層まで不動産を投資物件として活用しようとするケースが増えている。

 不動産業界の大半が、業者を通した昔ながらの対面ビジネスだった。だが、IT技術を使った不動産情報を紹介するマッチングサイト「楽待(らくまち)」を開設し、YouTubeチャンネル「楽待 RAKUMACHI」の登録者が62.5万人を突破(5月25日現在)するなど、業界に新風を吹き込んでいる企業がある。8月で創業20期目になるファーストロジック(東京都中央区)だ。

 同サイトが登場したことにより、紙の契約書による取引が主流だった投資家向け不動産取引がDX化された。対面でやらなければならなかった物件探しや不動産会社への問い合わせを、インターネットを駆使することによりワンクリックでできるようになったのだ。

 「悪徳業者を不動産市場から追い出して、公正な市場を創造したい」と主張する40代の若手社長、坂口直大氏にインタビューした。

●氷河期就職の“下請けSE” 営業利益率50%超の会社を起業するまで

 坂口氏が大学を卒業した時は、まさに就職氷河期だった。システムエンジニア(SE)として就職し、2次、3次下請け的な仕事を深夜残業もいとわずしてきた。だがある時、SEの先輩から「この仕事は35歳で定年だよ」と忠告された。それで先行きに不安を覚え、自立することを考えたのだ。

 坂口氏が目を付けたのが、毎月自分で支払っている家賃だった。家賃収入は安定した収入源だと思った。当時は2000年になってちょうどインターネットが流行し、ドットコム・バブルを迎えていた頃だ。にもかかわらず、ネットには不動産情報が全くなかった。不動産業者の多くは相変わらず電話とFAXで商売をしていた。その際に坂口氏は「これはIT技術を使って開拓する余地が大きいブルーオーシャン市場だ」と直感したのだ。

 得意とするIT技術を生かし、27歳だった05年、不動産業界に飛び込む決意をした。

●サイトの便利さが評価

 最初は不動産についての知識はなかったものの、マッチングサイト「楽待」を立ち上げた。投資用不動産に絞り、投資したい人と、不動産を売りたい人とをつなごうと考えたのだ。しかし、相手が信用できる人物かどうかで商談が決まる昔ながらの不動産業界では、当初、全く相手にされなかった。「足を棒にして月に100件以上商談したのですが、1件も『楽待』サイトに掲載してくれませんでした」と苦しかった時を振り返る。

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