育休の社内負担に「最大125万円」の助成金 男性の育休取得進むか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月14日 8時5分
育休を取得している社員の業務を他の社員が肩代わりすることで一定金額を支給する制度がある(画像:ゲッティイメージズより)
少子化対策としてさまざまな取り組みがありますが、その中で重要度が高いものの一つに男性の育児参加があります。
その指標として男性の育休取得率が注目され、大企業に育休取得率の公表を義務付ける法改正も進み、これに合わせて企業の取り組みを後押しするための助成金も拡充されています。
今回は、男性の育休取得の課題と令和6年1月に新設された「両立支援助成金(育休中等業務代替支援コース)」について解説します。要は、社員の育休取得によって他の社員の業務量が増えた場合、一定金額を支給するというものです。
●男性の育休取得の実態 女性と同率は道半ば
制度の詳細を説明する前に、男性の育休取得の現状を整理しましょう。かつて男性の育児休業は全く馴染(なじ)みのないものでしたが、さまざまな啓蒙活動を通じて徐々に認知されるようになり、取得率は令和に入り急激に上がっています。
一方で、政府が掲げる「こども未来戦略方針」では、2025年までに取得率50%(従来の30%から引き上げ)、2030年は85%に設定されています。
85%は女性と同等のレベルですから、この指針は男性も女性と同水準で育休を取得できる世の中を目指すというものであると理解できます。しかし、そこに至るまでにはまだまだ多くのハードルがありそうです。
また他国との比較においても、日本はまだ遅れを取っている状態です。
さらに取得期間についても男性は2週間未満が半数以上と、女性に比べ短期間の休業が中心です。単純に取得率だけを気にした企業側が取得を推進するも、本格的な長期の育児参加にはつながっていないケースも少なくないと見られます。
●取り組みへのヒントと課題
厚生労働省のイクメンプロジェクトが、従業員数1000人超の企業1385社を対象に実施したアンケートで以下のような調査結果が開示されています。
男性の育休等取得率の高い(80%以上)企業群では、取得率が低い(20%未満)企業群と比べて、「自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供」や「育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施」の取り組み割合が高い傾向が見られました。
また「育児休業に関する個別の周知・意向確認」の実施者を育休等取得率別に見ると、男性育休等取得率の高い(80%以上)企業群では、取得率が低い(20%未満)企業群と比べて、個別の周知・意向確認を「直属の上司」が行っている割合がやや高い結果となっています。
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