1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「窓ガラスになる」太陽光パネル ENEOS、技術はクリアだが量産化に課題

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月3日 7時15分

●高輪ゲートウェイにデジタルサイネージ 赤外線で稼働

 続いてENEOSが取り組んだのが、認知度向上も狙った駅内での実証実験だ。JR東日本やYKK APの協力を得て、2023年5~7月に高輪ゲートウェイ駅構内の東向きの窓に太陽光発電窓パネルを設置した。

 「駅構内の窓は、破片などの飛来物から守るために合わせガラスを採用しています。紫外線をカットするので、取り込める光は赤外線のみ。また、東向きに設置したため光が入ってくるのは午前中だけという少々不利な条件でのチャレンジでした」と担当者は振り返る。

 午前中に取り込んだ赤外線のみでデジタルサイネージを1日8時間稼働させるというのが実証実験の内容だった。1日8時間稼働を達成し、実験は成功。テレビなど複数メディアに取り上げられたことで、認知度向上にもつながった。

●技術はクリア 量産化に課題

 UE Powerがあれば、これまでの太陽光パネルでカバーできなかった部分からエネルギーを取り込むことができる。縦置きに適したビルが多い都市圏では重宝されそうだが、課題も残る。

 「現在は30×50センチ程度の小さいサイズを複数枚組み合わせて大きなパネルとしています。実際、ビルやホテルなどから問い合わせをいただいておりますが、商用化に際しては1×2メートルなどメートル級のサイズを求められています。技術的に大型化はクリアしていますが、量産化が問題です」(担当者)

 量産化には工場のラインを整える必要があるという。ガラスを受け入れる設備やガラスを保管する倉庫、発電幕を作る作業など、スペースと作業ラインの確保が必須だ。UE Powerの製造自体は1日で完成するという。量産化の一歩手前だ。

 商用化すれば、今後新たに建設されるビルやホテルなどへの採用も期待される。まずは米国での採用を進めていくとのことだが、近い将来「あれ、このビルにもUE Power? あそこも?」と、日本でも当たり前の光景になるかもしれない。

※記事内の情報は2024年3月時点のものです

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください