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「ここは日本なのか」 サンリオピューロランド運営の社長、インバウンド殺到の”いま”を語る

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月17日 11時55分

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サンリオピューロランド外観

 「日によっては日本じゃないんじゃないかと思うくらい」ーーサンリオピューロランドを運営するサンリオエンターテイメントの小巻亜矢社長は、5月16日に東京都内で行われた講演で、その盛況ぶりを語った。

 好調な業績を押し上げているのがインバウンド観光客だ。コロナ禍以前から続くクールジャパン施策や、歴史的な円安の後押しもあり、2023年度のサンリオピューロランドへの訪日客は前年比400%に増加。2024年3月の期末決算では最高益を更新した。

 背景にあるのは、北米とアジアに注力する、サンリオグループのマーケティング戦略だ。小巻氏によれば、米国や中国・韓国・香港・台湾など、世界各地での商品・サービスの展開がテーマパークの来場にも好影響をもたらしているという。コロナ禍以前は中国からの観光客が最も多かったが、現在の国・地域別来場者数は1位が米国、2位以降が韓国、中国、台湾と続いている。

●成功の裏に「脱・キティちゃん一強」戦略

 さらに、多様なキャラクターを押し出すマーケティングも功を奏した。海外でも展開するサンリオキャラクター大賞を見ると、従来まではハローキティが上位を占めていたが、2023年度の結果にはシナモロール、ポチャッコ、ぐでたまといったキャラクターが名を連ねた。「キティちゃん一強」が国内外で大きく変化し、サンリオブランド全体の人気を支えている格好だ。

●各国の事情に合わせ、多様な対応を

 サンリオピューロランドでは増加する訪日客への対応として、公式Webサイトの多言語対応や、海外向けのSNS発信力強化といった施策に取り組む。

 成功を収めているようにも思われるが、小巻社長は各国の事情に合わせた施策について「もっとできることがたくさんある」と意気込みを見せた。韓国向けであれば、現地のクリエイティブに合わせたビジュアル広告やインフルエンサーの呼び込みなど、各国の志向にあわせたプロモーションの多様化を今後の施策の例として挙げる。

 同社が大分県で運営するハーモニーランドについても、訪日客がより来場しやすくなるよう、アクセスルートの設計などを検討している。九州全体が海外から注目を集める近年の状況を踏まえ、特に地理的に近いアジア圏からの顧客をターゲットに取り組むという。

 ハラール、ヴィーガン対応といった食事面でのサポートについても、売れ行きが見込めるわけではないものの、「経費の面ではなく、プロモーションの一環として捉えるべきだ」と前向きだ。

 「『インバウンド』『アジア』と一言で言っても、各国で事情は全く異なる。国別、客層などに合わせ、パーソナライズしたコンテンツ設計が必要だ。優先順位を見極めて対応していきたい」(小巻社長)

【編集履歴:2024年5月22日午後4時13分 サンリオエンターテイメントへの追加取材により、本文を一部変更しました】

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