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キリン、電気で「しょっぱくなる」スプーン発売 開発に5年、減塩食の物足りなさ解消へ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月21日 9時15分

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食器型デバイス「エレキソルト スプーン」(1万9800円)が市販化(発表会で編集部撮影)

 キリンホールディングスは5月20日、食器型デバイス「エレキソルト スプーン」(1万9800円)の市販化を発表した。同商品はスプーンの先端から微弱な電流を流すことで、食品の塩味を約1.5倍に増強する機能を搭載している。「減塩食は薄味で物足りない」「減塩の大切さは分かるが続けにくい」といった声に着目し、約5年の開発期間を経て市販化に至った。

 スプーンのサイズは約250(幅)×25(高さ)×38(奥行き)ミリメートルで、重さは約60g。電源には3Vリチウム電池(CR2)を使用する。

 食事の際はスプーンの柄にあるスイッチで電源を入れ、4段階の中から好みの味(塩味)の強度を選択。味の強度は電源ボタンを複数回押すことで変更可能だ。

 スプーンの柄と先端には、電極が組み込まれている。柄を手で持ち、食べ物をスプーンの先端にのせて口に運ぶことで電気が流れ、塩味が増したように感じるという。正しく使用できていると、ランプが白色に点灯する。

 スプーンの口に運ぶ部分と柄は取り外しが可能。口にする部分は、通常の食器と同じように洗うことができる。なお、ペースメーカーといった装着型の医用電気機器を使用している人や歯を治療中の人などは使用できない。

●自身も約3カ月の減塩生活を実施

 エレキソルト スプーンは、キリンホールディングスの佐藤愛氏(ヘルスサイエンス事業部 新規事業グループ)と、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室が共同開発した。開発のきっかけについて佐藤氏は「大学病院で研究をしていた際、食事療法で減塩に取り組む患者の多くが辛い思いをしていたことから」と振り返る。

 厚生労働省によると、20歳以上の日本人が1日当たりに摂取する食塩量は男性は10.9g、女性は9.3g。WHOが掲げる食塩摂取推奨量5.0gと比較すると、非常に多い。日本の食文化では意識せず食塩をとり過ぎてしまう傾向があり、多くの人が濃い味の食事に慣れていると佐藤氏は指摘する。

 「食べ慣れた塩分の多い食事から、薄味の食事に変えることは簡単ではありません」(佐藤氏)。自身も約3カ月の減塩生活を実施したところ、次第に食欲がなくなり体重は5キロ減ったそうだ。こうした経験から「食塩のとり過ぎは解決しつつ、おいしいことも両立できないか」と考え、開発に着手した。

●なぜ「しょっぱく」感じる?

 エレキソルトは、人体に影響しない微弱な電流を用いることで、食品中のナトリウムイオンの動きをコントロールする。食品の塩分量を変えることなく、疑似的に「しょっぱさ」が増したように感じさせる効果がある。これは電気の力を活用して、食事の味わいを変化させる「電気味覚」を応用したものだ。

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