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22万円以上もするのに、なぜ? LIXILの「ボディハグシャワー」が前年比2倍の理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月27日 9時4分

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リクシルの「ボディハグシャワー」が人気、理由は?

 4月30日に「風呂キャンセル界隈」というワードがX(旧Twitter)でトレンド入り、多くの人から共感を集めた。「面倒」「疲れている」といった理由で、日常的に入浴しない人々を指すようだ。そんな背景もあってか、効率的に体を温められる新発想のシャワーが売れている。

 LIXIL(リクシル)が2022年6月に発売した「ボディハグシャワー」は、両サイドのアームに計10カ所のノズルが配置され、首から足首まで体を包み込むようにお湯を当てられる。42度で5分間ほど浴びると、ハンドシャワーより体の深部温度が上がって、ポカポカした状態が続きやすくなって、浴槽入浴と比べて節約効果も見込めるという。

 こうした特徴が受け入れられ、発売2年目となる2023年度の売り上げは前年比2倍に。通常、全身シャワーは介護目的での利用が多いが、購入者の約5割が共働き世帯や若年層などで介護以外の目的で選んでいるそうだ。

 4年以上の歳月をかけて開発されたボディハグシャワーのヒットの理由を取材した。

●価格は22万円~。後付可能な全身シャワー

 ボディハグシャワーは、新築需要よりもリフォーム需要が高まっていたり、シャワー浴が増えていたりする現状を踏まえて開発が始まった。浴室の水栓を活用して後付設置が可能、空間に違和感なく溶け込むようなデザインとなっている。

 鏡の横にアームが2本取り付けられており、シャワーに見えづらい。価格は施工費込で22万円~となる。

 使用時は、アームを前に倒して好みの角度に調整して浴びられる。ノズルは全部で10カ所あり、上下の2つはほどよい刺激で当てる星型、それ以外はやわらかい霧状にしている。

 立っても座っても浴びられるが、リクシルが推奨するのは座った姿勢で42度で5分間浴びること。同社の調査によると、通常のハンドシャワーよりも体の深部温度が上がりやすく、入浴後も体が温かい状態が続きやすいという結果が出ている。

 リクシル浴室商品部の古屋重行氏は、「社内で200人以上がモニタリングした結果では、『湯船に浸かった後みたい』という声が多かった。『浴槽がいらなくなる』という声もあった」と話した。

 浴槽入浴と比べて節約効果もある。リクシルによれば、4人家族が1年間、平日の浴槽入浴をボディハグシャワーに切り替えた場合、CO2排出量を約36%削減、水道・ガス代を約2万円節約できるという。

●200以上のノズル試作、「浴び心地」にこだわり

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