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誰かに相談することは本当に意味があるのか――事業戦略のプロが20年相談をし続ける理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月28日 17時8分

誰かに相談することは本当に意味があるのか――事業戦略のプロが20年相談をし続ける理由

中長期的にそのメリットを考えてみる

 これまで4回にわたって、「相談」をテーマにその効果や具体的な相談のポイント、タイミング、相談相手の選び方についてお伝えしてきました。最終回となる第5回目は、相談が持つ可能性についてお話しします。

 結論から言うと、相談をすればするほどできることが増えます。「相談=相手を頼る=自分のできることは増えない」とも思われがちです。そのため、相談せずに自力で解決しないと成長できないと思い込んでいるケースも少なくありません。

 しかし、私がお伝えしている相談の目的は「行き詰った時に物事を前に進めること」です。相談することで自分自身のネクストアクションが見えてきます。アクションすると経験値が増えるので、結果的に知識やスキルが身に付き、少しずつできることが増えていくのです。

 相談にはもう一つの大きな効果があります。それは応援し合える仲間ができることです。悩んでいることや近況を話し合えるので、自分と相手の興味関心領域や得意分野、苦手分野などが分かります。

 そうすると相談相手探しがスムーズになるだけではなく、相談相手にとって役立つ情報提供や人の紹介ができるようになります。「Aさんにはこういう情報を共有すれば役に立ちそうだな」「BさんとCさんがつながったらお互いのやりたいことの応援になりそうだな」といったイメージです。

 これを繰り返していくうちに緩やかに応援し合える仲間が増えます。この緩やかなつながりを10人持っている人と100人持っている人を比べれば、明らかに100人の方がネットワークや視点、情報の量が多くなりますよね。

 相談できる仲間が増えるということは、行き詰った時にすぐに相談できたり会いたい人を紹介してくれたりする可能性が高まることにつながります。結果的にネクストアクションが促進されるので、さらなる経験値を獲得して成長し、できることが増えていくでしょう。

●相談には「成功」も「失敗」もない

 「相談の効果は分かるが、そうは言っても相談するのが苦手」という方も多いかと思います。私からお伝えしたい考え方は、相談には「成功」も「失敗」もないということです。

 相談を成功と失敗に分けてしまう背景には、相談の成果を「短期的」に捉える傾向があります。短期的な成果が出たら成功、出なければ失敗と思ってしまうのです。一方、私は相談を「中長期」のスパンで見ています。

 「あのとき、〇〇さんに相談したからこそ知識や経験の蓄積ができ、自分はこういう事業やプロジェクトに対応できている」「別のテーマでお願いした相談を1年ぶりに思い出したが、あの時の意見や情報は重要な示唆を含んでいたから、今回のテーマでも検証してみよう」など、忘れたころに本当にそのようなことが起こるのです。

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