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どうなる「イトーヨーカ堂」 衣料品売場で起きているすごい変化 伝統的な強みを取り戻せるか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月28日 6時30分

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イトーヨーカドー木場店

 スーパーマーケットの業界では、地域に密着した食品スーパーが堅調な一方で、大型の総合スーパー(GMS)の不振が続いている。セブン&アイ・ホールディングスの傘下にあるイトーヨーカ堂もご多分に漏れず苦戦が続いているが、明るい材料が見えてきた。

 衣料品の平場に投入した「FOUND GOOD(ファウンドグッド)」の評判がすこぶる良いからだ。

 ファウンドグッドはアパレルのみならず雑貨もカバーしており、洋服にとどまらないライフスタイルを提案するブランドになっているのが特徴。これを核にして、寝具、日用品などに同じテイストの商品を投入していくことで、業績が回復する道筋が見えてきた。

 GMSの将来性に関しては悲観的な見方が多い。食品のみを残して、あとは専門のテナントに任せるべきという考え方が今の主流だ。GMSの店を改装して、衣食住のうちの「食」にあたる食品売り場のみを自社で運営する。「衣」と「住」に関するアパレル、家具、雑貨、家電、本、スポーツ用品などの店を専門店街と称して、著名ブランドを誘致。あとはフードコートにハンバーガー、フライドチキン、セルフうどん、ラーメン、ドーナツ、グレープなどの著名ブランドを集めて運営しているケースが多い。

 どのGMSにも似たようなラインアップのチェーン店が並ぶため、結果的に全国のGMSが没個性化し、売り上げが落ちている面がある。

 要は、食品売り場を除いてどんどん専門量販店にシェアを奪われ、商品企画力、販売力を失い、それらをテナントとして取り込む不動産業にシフトしている。しかも、リーシング(テナント誘致)するラインアップがどこも似ていて、面白みのない店が増えているのが現状だ。

 そこに登場したのが、イトーヨーカ堂のアパレル平場に相当する売り場へと新提案されたファウンドグッドだ。アパレル大手のアダストリアが請け負っており、「食品売り場との買い回りを意識した」とのことだ。

 これまでイトーヨーカ堂が不振に陥り、そこから脱しきれなかった経緯と、ファウンドグッド投入による光明について、ひもといていきたい。

●イトーヨーカ堂の歴史

 イトーヨーカ堂の発祥は1920年(大正9年)、都内にオープンした「めうがや洋品店」だ。祖業はアパレルなのである。同社の創業者、伊藤雅俊氏の叔父にあたる吉川敏雄氏が後に「羊華堂洋品店」へ改名した。

 店は繁盛して、千住、荻窪にも支店をオープン。1929年(昭和4年)、諸説あるが日本初とも言われるボランタリー・チェーン「全東京洋品商連盟」を7人の仲間たちと設立。当時、勃興してきた百貨店に対抗する狙いがあった。共同仕入れにより、廉価で販売。しかも、流行りの服を研究して発注したので、大いに成功を収めた。

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