「マツダの快進撃」はまだまだ続く? 認証不正発覚から襟を正して未来を描けるか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月7日 6時5分
最新のクリーンディーゼルである直列6気筒エンジンは、驚くべき燃費性能を実現している。さらに、負荷の高い領域をモーターでアシストすることで、現在のマイルドハイブリッド仕様より燃費性能を高められる道筋も見えている。
トヨタのTHS(トヨタハイブリッドシステム)は燃費性能においては素晴らしいが、「エンジン車に乗っている」感はあまりない。ダイナミックフォースエンジンもかなり追い込まれた高効率エンジンだが、ハイブリッドの陰に隠れている感が否めないのは残念だ。
それにトヨタの全方位戦略は見事だが、あれはトヨタの企業規模だから採用できるもので、マツダで同じことをやればたちまちリソースが不足して中途半端な開発しかできないだろう。
これまでマツダはエンジンには力を入れるものの、トランスミッションはどちらかというと後回し的な印象であった。FRプラットフォームには8速ATが新設定されたが、横置きATも多段化などさらなる洗練を望みたいところだ。
●ドライバーを楽しませるクルマづくり
3つ目はドライビングの追求である。どんなに優れたパワートレインやスタイリングデザインを実現しても、運転していて退屈なクルマであっては、飽きが来る。ここにマツダ車が人気を博している理由がありそうだ。
もちろんドライバーによっては「ひたすら楽な方がいい」という向きもあるが、そんな人はトヨタ、日産をはじめとするメジャーな自動車メーカーの最新モデルを選ぶだろう。一般的に、消去法でクルマ選びをするユーザーは、そもそもマツダ車を選ばない(ケースバイケースではあるが)のだ。
他メーカーでは飽き足らずマツダ車を求めるユーザーは、ドライビングにこだわる傾向も強い。ドライビングポジションや操作フィールにこだわり、運転を楽しみたいユーザーを育て、獲得するためにマツダはリソースを割いている。
シートの座り心地やホールド性といったパッシブな要素に加え、アクセルへのオルガンペダルの採用、ステアリングやペダル位置のドライバー中心からのオフセットの解消など、「いかに自然に運転操作ができるか」というポジションへのこだわりがある。ステアリングフィールやペダルフィールといった、人とクルマの対話についてもとことん追求している。
もちろん他の自動車メーカーも、このあたりの作り込みを怠っているわけではない。しかし他社よりもこだわりや熱量の高さを感じるのは確かだ。これはサプライヤーからも証言(泣き言?)を得ている。
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