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午後の紅茶「夏はアイスティー」猛プッシュ 市場拡大で狙うコーヒーの座

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月10日 15時0分

午後の紅茶「夏はアイスティー」猛プッシュ 市場拡大で狙うコーヒーの座

 キリンビバレッジが、「午後の紅茶」を6年ぶりにリニューアルする。リニューアルするのは定番3商品(ストレートティー、ミルクティー、レモンティー)で、中味、パッケージデザイン、容器を全て刷新し、6月18日に発売予定だ。同社の看板商品である午後の紅茶をフルモデルチェンジする背景には、強力なライバルであるコーヒーの存在があった。

 今回のリニューアルは、「紅茶の香りと、上品でちょうどいい甘さ。リラックスやご褒美シーンにぴったりな味わい。」がコンセプト。午後、一息つきたいときに飲みたくなるような紅茶を目指した。

 ストレートティー、ミルクティー、レモンティーはいずれも、スリランカ産の茶葉を使用する。ストレートティーは華やかな香りが特徴の「ディンブラ茶葉」を全茶葉のうち20%使用。甘味だけでなく渋みも残すことで、すっきりした後味になっている。ミルクティーはコクのある香りが特徴の「キャンディ茶葉」を同15%使用。飲んだ時の満足感を高めるため、ミルク感をアップさせた。レモンティーにはフルーティーな香りがある「ヌワラエリア茶葉」を同15%使用し、レモンの甘酸っぱさを引き出した。

 パッケージはこれまでのかわいらしい印象から、上質かつ大人っぽさを強調したデザインへと変更。ボトルはダイスカットが入ったグラスのような容器を採用した。また、ラベルを薄く小さくしたことで、年間約116トンのプラスチック樹脂を削減できるという。

 同社マーケティング部の原英嗣氏は、今回のリニューアル後の販売目標について「具体的な数字はこれから定めるものの、2桁以上の伸長を目指したい」と意気込んだ。

●実は夏に飲まれない紅茶、なぜ?

 午後の紅茶の2023年における販売量は5000万ケースを突破。今年の第1四半期売り上げは前年同期比7.6%増と好調だ。「通年で堅調な売れ行きですが、実は夏場の販売量が伸び悩む傾向があります」(原氏)

 一般的に夏期は清涼飲料水が最も売れる時期だが、多くの消費者は炭酸飲料やスポーツドリンクを選ぶ傾向にあるという。その要因として、原氏は「紅茶=ホットのイメージが強く、夏の飲み物として認識されていないからではないか」と分析する。

 そこで同社は昨年の夏から、暑い時期の飲み物としてアイスティーを訴求する取り組みを開始。今年の夏は午後の紅茶のリニューアルの他、首都圏各地にアイスティーを提供するキッチンカーを走らせる。また、ホテルや飲食店、夏の行楽地であるプールや海水浴場と協業し、アイスティーを提供する予定だ。

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