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生クリーム好きの社員が考えた! 貝印の「生クリッチ」完売、どんな商品なの?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月13日 6時5分

●材料のバラつきを乗り越えて実現したセンシング技術

 自動モードを選択すると、1分から4分程度で生クリームをつくれる。固さが足りないときは、マニュアルモードにして追加で泡立て好みの固さに仕上げることが可能だ。

 自動モードは新開発のセンシング技術によって実現した。ウィスク(泡立て器)を回すモーターの電流値をセンシング。泡立てていくうちに電流値が徐々に高くなるので、ある一定の電流値になったらでき上ったと判断して、運転を自動的にストップする。

 「生クリームは泡立てていくと液体から徐々に固くなっていきます。液体のときはモーターを低電流で回せますが、だんだん泡立ちが固くなってくるとモーターに負荷がかかり電流値が大きくなります。モーターの電流値をモニタリングすれば、生クリームの泡立ち具合が判断できます」

 モーターの電流値のセンシングは、技術的に難しいものではない。しかし、実際にやってみるとかなり難しいものだった。課題を乗り越えるのに1年近く要した。難しかった理由は、材料のバラつきが大きいためであった。

 「材料には動物性と植物性があり、動物性も安定剤が入っているものと入っていないものがあります。大きく3種類あるわけですが、それぞれで泡立て具合が変わってくるので電流値の上がり方が違うんです。生クリームの温度などによっても電流値が変わってしまうところがありました」

●コードレスにこだわった理由

 生クリッチでは、生クリームマニアである小林氏のこだわりも実現した。まずこだわったのが完成までの時間。早くできることを目指した。時間がかかると徐々に使われなくなる懸念があったことから、カップラーメンができる程度の時間で完成することを目指したという。

 7~8分立てで仕上げることにしたのは、一番使われる生クリームの固さがこのあたりだという小林氏の実感に基づいている。ケーキやゼリーに使われる生クリームは6~8分立てと言われている。

 もう1つこだわったのが、洗い物を少なくすること。飛び散りを抑え周囲を汚さないことに加え、使い終わった後の洗浄も簡単に済むようにした。

 そしてコードレスにもこだわった。本体にはバッテリー充電のためのUSB-Cポートを装備している。コードレスにしたのは、いろんなところで手軽に使ってもらいたいためであった。

 「キッチンだけで使うなら電源コードをコンセントにつなぎながら使うのもアリですが、生クリッチは生クリームを日常的に食べておいしさを味わい、幸せを感じてもらうために開発したツールです。いろんなところで手軽に使えるようにしたかったので、最初からバッテリーを搭載してコードレスで使えるようにするつもりでした」

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