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業界が縮小する中で、なぜスタバだけ元気に増加しているのか ヒントは、20年前に始めた店舗にあった

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月14日 6時30分

 2月期末時点で1004店を構える業界3位のコメダ珈琲店は、ロードサイドという立地や近年のフルサービス型喫茶店の人気もあり、店舗数を増やし続けているものの、スターバックスほどの勢いはない。業界4位のタリーズコーヒーは公式Webサイトによると787店舗を展開している(同前)。駅や空港といった「インフラロケーション比率」を上げる戦略を進めてきたが、こちらも著しく伸びているわけではない。

 なお業界5位のサンマルクカフェは293店舗(同前)であり、4位と5位には大きな差がある。競合の動きを考えると、コロナ禍にもかかわらず大きく店舗数を伸ばしたスターバックスは、まさに“一強”のような状態といえる。

●2003年に始めたドライブスルー 現在は全体の4分の1を占める

 スターバックスは郊外及び地方のロードサイドに出店したことで店舗数を増やした。都内や大阪にも出店しているが、近年の出店情報をみると郊外や地方への出店が目立つ。そして、ロードサイドの新店はドライブスルー機能を設けていることが多い。ドライブスルーの専用レーンがあり、客はマイクで注文を伝え、窓口で商品を受け取るスタイルだ。事前にモバイルオーダーで頼むこともできる。

 北関東のドライブスルー店を訪れ店内から様子を観察したところ、店員はヘッドセットを付けてドライブスルー利用客への対応をしていた。忙しいときには車が連続で来るため、店内客に対応していない店員は全員、ドライブスルー対応に集中するような様子であった。細かく数えたわけではないが、平日夜の1時間で店内客は4割、ドライブスルー客が6割といったところで、ドライブスルーの人気が高いことが分かる。

 スターバックスが国内で初のドライブスルー店を構えたのは2003年。ちなみに米国では1994年からあったという。6月10日時点でドライブスルー店は514店舗と、店舗網全体のおよそ4分の1を占める。ドライブスルー店は標準店と比較して1.3倍の出店コストがかかるものの2~3割の増収が期待できるという。標準店よりも回転率が高いからだろう。ちなみに2年前には、群馬県伊勢崎市に国内初のドライブスルー専用店をオープンしている。

●ドトール、タリーズでも郊外店の動きが進む

 地方でスターバックスが店舗数を伸ばす状況で、競合はどう動いているのだろうか。

 都市部・市街地への偏重傾向が強いドトールでは、以前からガソリンスタンドとの併設店を通じて郊外進出を狙ってきた。2016年に「エッソ」に併設したドライブスルー店をオープン。2019年には、ドライブスルー型の郊外店「ドトールキッチン」をオープンしている。

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