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「SES企業はやめとけ」は本当か? 実態をヒアリングして分かったこと

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月19日 8時5分

●エンジニアの希望に応じた柔軟な案件アサイン

 SES企業の営業は、エンジニアの稼働率や稼働開始数が目標となることが多く、エンジニアの希望よりもクライアントの要望を優先してしまうことがあります。

 このような問題に対し、ある企業では「営業サイドの評価の仕組みを変えたことで、営業が事前に入念なヒアリングを行い、配属先の企業や案件を慎重に選んでアサインしてくれるようになった」という事例がありました。

 また、専任部署を設置したり、営業に数値目標やノルマを設けなかったり、案件アサインのミスマッチを防ぐ企業もあります。

 本人希望の案件にアサインできなかった場合でも、その背景を説明し、必要なスキルや能力を身につけるために、会社としてフォローする姿勢も大切です。SES企業の中には、自社で研修センターや専任講師を抱えたり、年に数百種類の研修を取りそろえ、独自のサポート体制を整えたりするところも増えています。

 企業としては、エンジニア一人一人のキャリアビジョンを尊重し、研修プログラムの充実や資格取得のサポート、定期的なキャリアカウンセリングや1on1を通じて、エンジニアの中長期的なキャリア形成を支援する体制が必要でしょう。

 SES企業は単なる企業形態にすぎず、その企業の良しあしを直接的に決定するものではありません。独自の取り組みや工夫をする企業も多く、さまざまなプロジェクトを通じて多くの経験が得られるなど、キャリアにとってプラスになる側面も多くあります。SES企業に対する正しい理解を促進し、企業とエンジニアとの信頼関係を深めていくことが何より重要です。

●著者プロフィール:芦野 成則

レバテック株式会社 リクルーティングアドバイザー

一橋大学を卒業後、官公庁に5年半勤務し、2019年にレバレジーズに中途入社。

レバテックのキャリアアドバイザーとして、年間約300人以上のエンジニア・ITコンサルタント向けのキャリア支援を行い、その後ハイクラス専任チームの立ち上げに従事。

現在は企業の採用支援を行うリクルーティングアドバイザーとして、人事目線での社内実情やIT人材の転職市場動向を踏まえ、多角的な視点から採用支援を実施。

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