1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

フライドチキンの皮だけ食べたら嫁に怒られた! ドンキ、SNSで話題の皮だけ弁当はなぜ生まれた? 「偏愛めし」シリーズに注力するワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月20日 6時15分

写真

ドンキの「偏愛めし」が注目されている

 ドン・キホーテが5月に発売した「フライドチキンの皮だけ弁当」(538円)がSNSで大きな話題となった。フライドチキンの皮とご飯で構成されているのが特徴で、かなり尖った商品といえる。なぜ、ここまで思い切った弁当を開発したのか。商品開発の担当者に話を聞いた。

 皮だけ弁当は、ドンキが2023年10月に立ち上げた弁当・総菜の新ブランド「偏愛めし」シリーズの商品で、肉とスパイスのうまみが凝縮された皮が味わえる点を訴求している。

 偏愛めしのコンセプトは「みんなの75点より、誰かの120点」で、商品開発者の食に対する個人的なこだわりを強く反映している。現在は約350店舗で展開していて、月間の売り上げは1億円を突破しているという。

 話題になった弁当が生まれたのは、担当者がフライドチキンの皮を“偏愛”していたことと関係している。

 「自宅に私の嫁が買ってきたフライドチキンが置いてあったのです。皮だけを食べて肉の部分を残しておいたところ、嫁に怒られました。このエピソードは商品開発会議の場でも披露しています」(担当者)

●背景にピラミッ丼のヒット

 皮だけ弁当が生まれた背景には偏愛めしシリーズの「欲望のままに作った厚切りロースのピラミッ丼」(648円)のヒットもある。「市販の弁当は肉が薄すぎる」「米よりとにかく肉が食べたい」というコンセプトの商品で、厚切りロースが山のように盛り付けられているのが特徴。現在は、偏愛めしの弁当部門で売り上げ1位となっている。ピラミッ丼を開発した社員が「私自身、いつも焼肉弁当を食べているときに、肉が先になくなりご飯が余ることに涙しておりました」と説明するほどに思い入れがある商品だ。

 このように、ピラミッ丼は肉に対する社員の欲望を素直に反映している。そこで、偏愛ポイントを肉から皮にずらすことで、「実は皮のほうが好きなんだよね」と考えている消費者に刺さるのではないかと考えたという。

 単なる“悪ノリ”とも思える偏愛めしシリーズだが、実は消費者に受け入れられるかどうか担当者は不安を感じていたという。

 「私は通常の弁当も開発していますが、偏愛めしについては開発時に『尖りすぎていないだろうか』と常に意識しています。しかし、皮だけ弁当を紹介するX(旧Twitter)の投稿に2.5万の『いいね』が付いているのを発売後に見て、反響の大きさに驚きました。また、お客さまから『ドンキは分かってる』といった声をいただき、とても勇気づけられました」(担当者)

●万人受けは狙わない

 皮だけ弁当が大きく注目されたことを受け、ドンキでは7月にフライドチキンの皮だけが入ったおつまみを投入する。ビールに合う商品として訴求する考えだ。担当者によると、「フライドチキンの皮が好き」という消費者のニーズが顕在化したことを受け、発売を決めたという。

 2023年10月に開催された偏愛めしの発表会で、弁当・総菜部門の開発責任者は「今更クオリティーや価格だけで勝負しても競合に埋没してしまう」と語った。背景には、差別化の方法を工夫しないと消費者に支持されないという危機感がある。そこで、万人受けを狙うのではなく、好きな人に圧倒的に支持される商品を出していくことになった。

 こうしたコンセプトを実現する現場の担当者は、尖った商品を開発するゆえの不安を感じながら、試行錯誤を続けている。

 誕生してまだ1年も経過していないドンキの偏愛めしシリーズは今後どのように進化していくのか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください