世界で「緑茶」ブーム? 国内市場は縮小を続ける一方、まだまだ大注目なワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月24日 6時20分
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緑茶が注目される背景は?(出所:ゲッティイメージズ)
最近、コンビニ各社が抹茶を使用したスイーツやドリンクを続々と発売しています。コンビニ各社が抹茶に注目しているのはなぜでしょうか。また、緑茶を取り巻く環境は今、どうなっているのでしょうか。消費トレンドを追いかけ、小売り・サービス業のコンサルティングを30年以上にわたり続けているムガマエ代表の岩崎剛幸が分析していきます。
●国内の緑茶市場は縮小中?
数年前、ある有名ファッション誌の編集長をしている友人から次のような話を聞きました。
「最近、海外ロケで撮影に来るモデルたちが飲んでいるものを知ってる? 日本のお茶、緑茶を飲んでいるんだよ。日本のお茶は健康にも美容にも良いから、ボトルにいれて持ち歩いているらしい。これからはきっとお茶がくるよ」
筆者の実家が静岡のお茶農家だったこともあり、こんな話をしてくれたのでした。お茶がファッション誌のモデルに人気というのには驚きました。確かに静岡では「風邪を予防するのにお茶が良い」「免疫力を上げる効果があるのでお茶さえ飲んでおけば大丈夫」と昔からいわれていました。一昔前なら、お茶はお年寄りが縁側に座って飲むというイメージでしたが、最近では美と健康の側面から、世界で若者に注目されるアイテムに変化しているようです。
では日本での緑茶消費動向はどうなっているのでしょうか。2024年の新茶の産地価格は鹿児島、静岡、福岡で前年を下回っており、前年並みは京都のみです。また、全国茶生産団体連合会が発表している「茶の需給状況」を見ると、日本では人口減少とともに緑茶消費量も減少していることが分かります。
背景には、家で緑茶を入れて飲む習慣そのものが少なくなっていることもあると思われます。そもそも今、急須がない家庭が増えています。静岡県の調査によれば、首都圏のオフィスワーカーのうち、20代男性の8割以上が自宅に急須がないと回答しています。
緑茶の市場規模推移も見てみましょう。2013~22年度にかけて、1世帯当たりの購入量、1人当たりの購入量、1人当たりの購入金額はいずれも減少が続いています。それに伴って100グラム当たりの緑茶平均単価も減少しています。緑茶は日本国内で、長期的な減少トレンドにあるのです。
●市場縮小の一方で、ペット飲料やコンビニ商品は活況
一方、ペットボトルのお茶はよく売れています。2023年時点で国内における清涼飲料水の市場は4兆4000億円で、そのうち生産量のトップは「茶系飲料」。販売金額全体における割合でもコーヒー飲料(21.0%)に次いで2位の19.2%です。茶系飲料のうち、50%超が緑茶飲料であり、ほとんどがペットボトル入りということにも注目する必要があるでしょう。
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