しまむらのスリッパは「ありふれていた」のに、なぜ100万足を突破したのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月23日 6時10分
●市場調査で「顕在ニーズ」を洗い出し
リモデルの実行にあたり、顧客に支持されるスリッパの市場調査を実施した。しまむらでは5年前に「市場調査部」を発足させ、自社で展開する商品の課題やニーズの発見に注力しているという。
スリッパのリモデルでは、2つの分析手法を採用。1つは社内での「モニタリング」で、30人ほどの社員に改善前のスリッパを履いてもらい、独自に設けた10~15の項目に対して1~10点で評価してもらった。
もう1つは、LINEヤフーが提供するビッグデータ分析ツールのDS.INSIGHT(ディーエスインサイト)を活用した「市場調査」だ。同ツールを使って、消費者がスリッパにどんな不満や悩みを持っているのかを調べた。
「世間の人々が『スリッパ』と一緒に検索しているキーワードに着目し、幅広く調べてみたところ、『脱げやすい』『ムレる』『底が薄い』などの顕在ニーズが浮上しました。それらを商品部に伝え、商品開発に生かしています」(坂本氏)
坂本氏によれば、スリッパにおける市場調査は年1回の頻度で実施しており、その時のトレンドも加味しながら、課題やニーズの洗い出しを行っているそうだ。
●毎年の改善で、どんどん売り上げアップ
こうした顕在ニーズを参考に、しまむらでは毎年製品をアップデートしている。2021年には、甲の裏部分に吸水速乾性を持つメッシュ素材を採用して、よりムレにくい仕様に。2022年には足を入れやすくして、脱げやすさを改善した。
2023年には、メッシュ素材を変えてインソールのざらつき感を軽減。そして、2024年には厚底タイプのアウトソール(靴の裏側のパーツ)にも通気口を設けて、通気性を向上させている。
こうした地道な履き心地の改善に加え、豊富なデザイン展開も売り上げ向上につながっているとバイヤーの東氏は言う。
「キャラクターを使ったデザインは2022年ごろから展開しており、シリーズの中でも非常に人気があります。近年は『昭和レトロ』や『平成レトロ』といったブームの広がりにより、幅広い年齢層の方がキャラクター製品を選ぶようになっています」(東氏)
FIBER DRYシリーズのスリッパは、年間100種類以上のデザインを扱っており、70%強は毎年デザインが変わっているそうだ。
「動物やフルーツのモチーフは女性の支持が高く、側面やインソールのデザインプリントといったしまむらならではの工夫も人気の要因かもしれません。他社はシンプルなデザインが多く、このようなデザインはあまり見かけませんので」(柳澤氏)
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