トヨタ、お前もか 「不正撲滅は無理」と主張する豊田章男会長、支持率激減で試される覚悟
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月28日 6時20分
トヨタを含む自動車業界の不正が大きな波紋を呼んでいる(出所:ゲッティイメージズ)
自動車業界に大きな衝撃が走っています。国の型式指定に関する認証手続きを巡って、大手5社での不正が明らかになりました。国内自動車業界では、ここ10年ほどの間に次々と性能試験や検査を巡る不正が明らかになっています。今回不正が発覚した5社に、これまでグループ会社を除けば無傷であったトヨタ自動車が含まれていたことに、大きな驚きと落胆を禁じ得ないところです。
自動車業界にとどまらず、わが国の産業界におけるリーダーであるトヨタにまで不正の波が及んでいたのはなぜなのでしょうか。そもそも、現場不正の撲滅は不可能なのでしょうか。過去の検査不正に関する調査報告を踏まえて、検証してみます。
今回明らかになった不正は、先だって発覚したダイハツ工業などの認証検査不正を受けて、国土交通省が型式認証取得企業の85社に自主調査を求め判明したものです。自動車業界における検査不正の類は、2016年に三菱自動車で発覚して以降、同年のスズキ、2017年に日産自動車、2018年にSUBARUやマツダ、2022年の日野自動車、2023年のダイハツ工業や豊田自動織機と連鎖が続きました。
そして今回、トヨタ・ホンダ・マツダ・スズキ・ヤマハ発動機と5社の不正が、新たに明らかになったのです。業界共通の問題といえそうな不正の連鎖によって、わが国の自動車業界は世界からの不信を招きかねない状況にあるといえます。
今回の不正発覚を受けて会見したトヨタの豊田章男会長は「ブルータスお前もか、という感じ」とその心境を語りました。この表現からは、トヨタの認証不正もまた、日野自動車・ダイハツ工業・豊田自動織機とグループ内で相次いだ検査不正と同様、トヨタグループ、あるいは業界を覆う組織風土由来のものであると受け止めていることがうかがえます。
●オーナー独裁ではない、サラリーマン組織の暴走はなぜ起きた?
不祥事発生の原因として組織風土が指摘される場合、その根源がオーナー系企業などにみられる「全権経営者」の暴走であることが多々あります。その代表例は、不当修理を繰り返して損害保険の代理店収入を稼いでいたと、2023年に大きな話題を呼んだビッグモーターです。
特別調査委員会の報告書には、同族の経営陣がその強い立場を利用して社員に左遷や解雇を匂わせつつ無理な目標を強いたこと。それによって、不正せざるを得ない組織風土が醸成され企業が腐敗していったさまが生々しく書き連ねられています。全権を握る経営者の暴走は何者も止め得ないものであり、組織ぐるみの不祥事発生における最大の要因であるといえるのです。
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