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意外な面倒さも? 財布いらずの「スマート支払い」、店側はどう思っているのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月30日 8時10分

 取材したヘアサロンでは、スマート支払いの満足度は非常に高かった。技術職である美容師には、なるべく本業であるカットや接客に時間を使ってもらうことが労使ともに都合が良いのだろう。

 では、飲食店はどうか。神奈川県横浜市でダイニングバーを経営するオーナーに聞いたところ、飲食店側の「影の努力」が明らかになった。ここは2人用の個室を多く備え、カップル客によく利用される店舗だ。

●飲食店ならではの難しさ

 取材した飲食店のオーナーは「スマート支払いの利用率は1~2割程度。(ノーショウ対策として)そこまで助かっている実感はありません」と話す。

 「スマート支払いを利用するお客さまの場合、当店は注文用紙でオーダーを取っているので、会計時に一度端末を開いて、金額を打ち込み、お客さまのテーブルまで持っていく必要があります。

 (カップルなどのお客さまの場合、)金額が相手に見えてしまわないように、隠しながら金額を見せています。このような“スマート”に見せるためのひと工夫が必要になっているわけです」

 デートなどのシーンでよく使われる店だからこそ、雰囲気を壊さないようにこうした工夫をしているのだろう。

 スマート支払いは、利用客自身が自分で注文を打ち込むモバイルオーダー方式や、タッチパネル方式との相性が良いのだが、こうしたデジタル化は店の雰囲気に影響を与えかねない。

 注文を受ける際のコミュニケーションも顧客満足度に大きく関わる要素だ。食事に関する質問に答えたり、提案したりすることで利用客の満足度が上がり、結果として客単価の上昇にもつながる。

 実は、飲食と美容とでは、スマート支払いを導入する割合に大きな開きがある。ホットペッパービューティーに掲載しているヘアサロン店舗の約30%がスマート支払いを導入している一方で、ホットペッパーグルメに掲載している飲食店のうち、スマート支払いを導入している店舗は約12%にとどまる。

 スマート支払いは店側にも利用客側にもメリットをもたらすサービスである一方で、実店舗ビジネスにおけるDXは一筋縄ではいかないようだ。

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