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従業員の“恐怖心”がイノベーションの妨げに 経営層が参考にしたい思考法

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 7時5分

 失敗を学びの源泉と捉えれば、企業はより強固で持続可能な進化を遂げられるのです。

●積極的にリスクを取る文化を醸成する

 しかし失敗は誰にとっても怖いものです。失敗に対する恐怖心は、イノベーションにとって大きな障害となります。なぜなら、失敗を悪と捉えることで、大胆な発想よりも安全や順応を優先する環境が生まれるからです。Miroが実施した調査では、経営幹部の62%が「恐怖心が企業におけるイノベーションの妨げになっている」と回答しています。

 つまりイノベーションを起こすためには、従業員が恐怖心を感じない環境を整えることが大切です。失敗を当たり前のものとして扱い、失敗を学びのプロセスに不可欠な要素と見なすことで、リスクを取るための“安全な空間”が生まれます。

 こうした視点の転換により、従業員は、失敗に対する罰を恐れることなく自身のコンフォートゾーン(心理的な安全領域)から一歩踏み出し、今までにないアイデアを探求できるようになるでしょう。

 多くの優秀な人材は、クリエイティブな自由さと個人の成長を促す職場に魅力を感じています。社内に優秀な人材が増えることで、ダイナミックで革新的な組織となることは周知の事実です。積極的にリスクを取る文化は、優秀な人材を引きつけ、つなぎ留めるきっかけにもなるのです。

 ここまでリスクを取る重要性について触れてきました。一方で、さまざまな数字や評価を気にしなければならないビジネスシーンにおいて、リスクを取ることは「時間の無駄」と感じた読者もいるでしょう。

 しかし、リスクを取るための余白を確保することは戦略的な動きと言えます。短期的な不確実性を上回る“長期的な利益”につながります。計画的にリスクを取ることが推奨された環境であれば、従業員が会社を発展させる画期的なアイデアを思い付く可能性が高くなるでしょう。

●初期のアイデアや試みが完成形であることは、ほぼない

 成果を求められるビジネスシーンでは、最初から「完璧」を求めてしまいがちです。もちろんその姿勢は重要ですが、すぐに完璧なものを生み出せません。ここにも試行錯誤の過程が生じます。

 完璧を導くには長いプロセスが必要で、「完璧が出発点ではない」と認識することで、成功するまで継続的に試し、改善することが苦ではなくなるはずです。

 この考え方は、イノベーションを生み出す過程において極めて重要です。この考え方を持っていると、たとえ最初の試みが結果につながらなくてもチームのモチベーションと集中力を維持できるようになります。最終的にブレークスルーをもたらすのは、何度も改良を重ねる粘り強さです。

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