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ファミマはなぜ「レトロ路線」へ? 背景に「韓国コスメ出遅れ」の可能性

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月16日 8時10分

ファミマはなぜ「レトロ路線」へ? 背景に「韓国コスメ出遅れ」の可能性

喫茶店のレトロプリン(185円)

 ファミリーマートは7月9日、「喫茶ファミマ」と題してレトロな喫茶店をイメージしたスイーツやドリンク、アイス、お菓子など全6種類を発売した。スイーツを中心に売り場を活性化させたいようだが、セブン-イレブンやローソンと比較すると、若者向け戦略の違いが浮かび上がる。

●“レトロかわいい”を意識した商品

 喫茶ファミマで扱う商品は、ファミマ初の期間限定レトロフェアとして展開する。新商品は「クリームソーダみたいなパフェ」(298円)、「フロスティメロンソーダ」(180円)、「喫茶店のミルクセーキプリン」(185円)、「喫茶店のレトロプリン」(185円)、「クリームソーダ風 ゼリードリンク」(228円)、「喫茶店のゼリー風グミ」(189円)の6商品である。

●若い世代を明確に意識 その理由は?

 これらの商品から、ファミマは若い世代を明確に意識していることが分かる。昭和の時代に親しまれてきたデザインやサービスが「昭和レトロ」としてブームになり、昭和を知らない若い世代を中心に盛り上がっている。実は、この若い世代がコンビニから減っているのだ。

 セブンの来店者調査によると、2022年度の年代別構成比は、20歳未満が6.8%、20~29歳が15.7%。最も多いのは50歳以上で36.0%であり、29歳以下を合計しても50歳以上の割合を超えないことが分かる。

●若者をターゲットに 韓国コスメは出遅れ?

 そこで、コンビニ各社は若者をターゲットにした商品力強化を進めている。ローソンはリップなどが人気の韓国コスメブランド「rom&nd(ロムアンド)」と共同開発したオリジナルブランド「&nd by rom&nd(アンド バイ ロムアンド)」を2023年3月31日から展開している。発売から3日で30万個を売り上げ、発売直後には売り切れるほどの人気商品となった。セブンもまた、2024年5月25日から韓国コスメブランド「CLIO(クリオ)」の姉妹ブランド「twinkle pop by. CLIO(トゥインクルポップ バイ クリオ)」を販売している。

 この韓国コスメのトレンドにファミマも乗りたかったと思うが、2020年から若者向け化粧品ブランド「sopo(ソポ)」を既に展開しているため、商品開発が難しかったのだろう。

 このように、コンビニ大手3社は若い世代向けにヒット商品を生み出したい意図がうかがえる。売り場では今、企画合戦が繰り広げられているのだ。

●筆者プロフィール:田矢信二

コンビニ研究家

近畿大学商経学部卒業。幼少期は実家の小さなおもちゃ屋で商売を学ぶ。その後、セブン-イレブン、ローソンを経て、コンサルタント会社でも勤務。コンビニの商品や売場全般に詳しく、お店に訪れ消費者目線で買い物して試食する毎日。本部社員として働いた現場経験を活かし、コンビニに関する講演・セミナーからテレビ・ラジオ番組などにも出演。コンビニをテーマにした記事への取材なども。最近ではアジア企業へのコンビニをテーマにした企業講演の依頼も多い。主な著書に『セブン-イレブンで働くとどうして「売れる人」になれるんですか? 』、『ローソン流アルバイトが「商売人」に育つ勉強会』(トランスワールドジャパン)がある。

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