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日立が「1兆円買収」した米ITトップを直撃 日本企業の“根本的課題”とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時42分

日立が「1兆円買収」した米ITトップを直撃 日本企業の“根本的課題”とは?

GlobalLogicのニテッシュ・バンガ社長兼CEO

 日立製作所が約1兆円を投じて2021年に買収した米GlobalLogic。日本を代表する製造業の日立と、デジタルエンジニアリングやアジャイルによるアプリケーション開発に強みを持つGlobalLogicの合流は、顧客のデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するLumada事業を軸とした日立の成長に、着実な成果をもたらしている。

 GlobalLogicを率いるのは、社長兼CEOのニテッシュ・バンガ氏。日立による買収後の2022年10月にCEOに就任し、2024年4月からは日立の執行役常務と、日立のデジタルエンジニアリングビジネスユニット(BU)のCEOも務める。来日した同氏に、日立との統合がシナジーをもたらした要因や、日本市場の展望について聞いた。

●日立とGlobalLogicの統合 成功した要因は?

 ニテッシュ・バンガ氏は5月、日立のデジタルシステム&サービスセクターの国内外の幹部やリーダーが集まる「Global Annual Kickoff Meeting」に参加するために来日した。海外のグループ会社から出席した約100人を含む、200人規模で開催されたこのイベントは、グローバルの経営陣と現場のリーダーが一堂に会し、「One Hitachi」のシナジーを確認する場として、日立が初めて開催したものだ。

 ITmedia ビジネスオンラインは、この来日に合わせてニテッシュ・バンガ氏に単独インビューを実施した。ニテッシュ・バンガ氏は、2021年に日立が約1兆円で買収した当時はGlobalLogicのCOOで、2022年10月からCEOを務めている。同氏は、異なるカルチャーを持つ両社が統合し、シナジーを生み出している要因を、企業の社会的な存在価値であるパーパスが共通しているからだと説明した。

 「統合が成功した要因の1点目は、両社のトップレベルでパーパスが合致していたからです。GlobalLogicの重要なパーパスは、テクノロジーを通じて、社会や人々の生活を守り、より豊かにさせることです。日立も次世代のプロダクトやプラットフォームの開発を通じて、社会イノベーションを起こしていくことを大きなパーパスにしています。共通点が多かったことで、スムーズに統合できたのだと感じています」

 2点目には、日立から多大なサポートを受けたことを挙げた。

 「GlobalLogicが持っている文化やアジャイルの手法を、日立のグループ内に取り込み、良いものに関しては採用する形で受け入れてもらいました。3点目はお互いを尊重したことです。統合を始めた当初から、双方が敬意を持ってお互いの文化を理解しようと努めていました。これが、統合が成功するための、最も重要な鍵でした」

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